NTTコムウェアは2009年7月7日、信頼性とサービスレベルの目安となる「キャリアグレード」、「グリーンなデータセンター」、「ITILベースのシステム運用」を軸に、柔軟で効率的なクラウド・コンピューティング環境を実現可能な「SmartCloud」(スマートクラウド)を順次提供していくことを発表した。
同社は、国内の情報通信分野においてICT(Information and Communication Technology)の利用形態が多様化し、市場環境・市場構造も大きく変化しているなか、これまでのICTアウトソーシング事業の実績をもとに、企業経営におけるコスト、スピード、ガバナンスの最適化を支援する次世代データセンター・ソリューションを検討してきたとのこと。
現在は、社員の約6割と協働者、3,600アカウントを収容するデスクトップサービス(シンクライアント)など、社内システムの「SmartCloud」への移行を進めており、その経験に基づいて、2009年度内にまずは「デスクトップサービス」(DaaS:Desktop as a Service)、続いてエンタープライズ・クラウドサービスを順次提供し、2012年度には500億円の売上を目指すとしている。
SmartCloudのサービス提供イメージ
同社の提唱する「SmartCloud」は、ネットワーク(クラウド)の先にあるICTリソースを、必要に応じて利用できるIaaS(Infrastructure as a Service:ICTリソースをネットワーク経由で提供するサービス)。利用形態(所有/利用、専用/共用、物理/仮想、サービスグレードなど)に応じて、各種サービスラインナップから、必要なサービスやグレードを選択できる。また、“デスクトップからサーバー”、“Webシステムから基幹システム”までをサポートし、クラウドとハウジング間の移動や需要変動への対応も可能にするというもの。
同社が挙げるSmartCloudの特徴は以下のとおり。
- 信頼性とサービスレベルを確保したエンタープライズ・クラウド
- ビジネス環境の変化に応じ、必要なときに必要なICTリソースを利用可能
- デスクトップからサーバー、Webから基幹システムなどICT基盤の最適化を実現
- ICT基盤における運用の見える化、サービスレベルの最適化を実現
- ICT基盤の最適化による、さらなるグリーンITを実現
- システムの移行と運用を、NTTコムウェアの実績に裏付けされたノウハウで実現
同社はこれまで、国内最高レベルのPUE値(Power Usage Effectiveness:データセンターの電力利用効率を示す指標)を目標に、環境に配慮したデータセンターと、ISO/IEC20000の認証を取得した品質のITサービスマネジメントを提供してきたという。
SmartCloudでは、それらを土台に標準化、統合化、仮想化、自動化などの構築・運用技術を組み合わせ、エンタープライズ向けに、ICTリソース(サーバーやストレージ、ネットワークなどの情報通信資源)を、柔軟かつ効率的に利用できるクラウド・コンピューティング環境の実現を目指す。また、システム特性やライフサイクル、サービスレベルに合わせて利用形態を選択できる「ハイブリッド型のソリューション」として、企業のICT戦略に合わせた最適な利用形態を選択できるようにして、経営課題の解決を支援していく。
「SmartCloud」(スマートクラウド)」
http://www.nttcom.co.jp/news/090707_cloud.html
NTTコムウェア
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