EMCジャパンは2009年7月16日、EMCの既存IT管理製品ソリューション群を、新たに「EMC Ionixファミリ」ブランドとして統合したと発表。「Ionixファミリ」は、顧客のIT環境において、物理環境と仮想環境をシームレスに統合管理することを可能にし、仮想データセンターにメリットを提供するだけでなく、クラウド・インフラストラクチャへの移行を促進するIT管理製品である。
EMCは、過去5年間に、データセンター全体にわたるIT管理のためのテクノロジー製品群を提供してきた。これらには、「ControlCenter」、「Smarts」および一部モジュール未発売の「Configuresoft」と、日本国内では未発売の「nLayers」、「Voyence」、「Infra」がある。同社は今回、これらの製品を1つの統合されたファミリとしてまとめることで、サーバ、ネットワーク、ストレージ、アプリケーションを含め、物理および仮想のITインフラストラクチャにわたる管理機能を提供する。
EMCジャパンは、「Ionixファミリ」によって、仮想化環境における最も差し迫った課題である管理に関する課題を解決することができるとしている。「Ionixファミリ」は次の4つのソリューション・カテゴリーに分類され、仮想化されたデータセンターにおいて、それぞれ独自のメリットを提供する。なお、一部のカテゴリーおよびその中に含まれるモジュールには未発売のものも含まれており、製品発売時期は随時案内される予定である。
「Ionixファミリ」の4つのソリューション・カテゴリーは次のとおり。
1. EMC Ionix for Service Discovery & Mapping (サービス・ディスカバリー&マッピング向けIonix)
複雑なアプリケーションと、その物理的および仮想的な依存関係についての可視性を提供する。CMDB(構成管理データベース) / CMS(構成管理システム)へのデータ入力、変更管理、アプリケーションのトラブルシューティングをサポートし、物理インフラストラクチャと仮想インフラストラクチャにわたるビジネス継続性やサイト・リカバリの課題への対応を支援する。また、このソリューションを使用することで、データセンターの移転、統合、仮想化への移行を実行する前の、サーバとアプリケーションの正確なマッピングが可能になる。
2. EMC Ionix for IT Operations Intelligence (ITオペレーション・インテリジェンス向けIonixA)
根本原因およびインパクトの自動解析機能を提供し、物理環境と仮想環境の両方にわたってサービスを監視する。また、このソリューションを使用することで、VM(仮想マシン)とそれらが常駐する「VMware ESXサーバ」、ネットワークの関係を可視化できる。根本原因の自動解析をサービス・デスクに統合することで、特許取得済みの「EMC Ionix Codebook Correlation Technology(アイオニクス・コードブック相互関係テクノロジー)」を通じてピンポイントで特定された問題に基づいてトラブル・チケットを作成できるため、インシデントおよび問題の管理を強化できる。
3. EMC Ionix for Data Center Automation & Compliance (データセンターの自動化とコンプライアンス向けIonix):一部モジュール日本未発売
IT管理スタッフを増員することなく、仮想化されたデータセンターを拡張できるようにする。サーバ、ストレージ、アプリケーションの依存関係、ネットワークを含め、ITインフラストラクチャ全体を網羅する優れたコンプライアンス管理ソリューションによって、「VMware vSphere 4」導入ガイドラインを始めとして、社内規程、ベスト・プラクティス、社内ガバナンス・ポリシーに対する構成のコンプライアンス状況を評価できる。そのうえで、物理インフラストラクチャと仮想インフラストラクチャにわたり、ガイドラインからの乖離を修正できる。さらに「EMC Ionix for IT Operations Intelligence(ITオペレーション・インテリジェンス向けIonix)」との統合によって、オペレーション・トポロジー・マップから変更イベントを表示したり、インシデントおよび問題の管理プロセスを有効化したりするなど、変更と構成のプロセスを活用できる。
4. EMC Ionix for Service Management (サービス管理向けIonix):日本未発売
拡張可能でコスト・パフォーマンスに優れたITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)サービス管理を迅速に導入できるようにする。このソリューションでは、この製品群にわたる2つの重要な統合である、CMDBおよびワークフロー自動化との統合に重点を置いている。物理および仮想のCI(構成アイテム)と依存関係が自動入力される連合CMDBを構築できる。
EMCジャパン
http://japan.emc.com/