ユーフィットは2009年7月1日、マイクロソフトのERPパッケージ「Dynamics AX」を短期導入する支援サービス「Microsoft Dynamics AX会計クイック導入サービス」を発表した。その名の通り、Dynamics AXの中でも会計機能に照準を当てており、同社が独自開発した会計テンプレートをセットにして提供する。
日本企業が海外製のERPパッケージを導入する際、とかく問題になりがちなのは従来からの商習慣とのギャップだ。とりわけ会計分野では管理帳票に対するこだわりが強く、これまで経理部門が馴染んできた形式に極力合わせたいというニーズが根強い。このため多大な時間とコストをかけてカスタマイズを施す例は決して少なくない。
こうした背景を踏まえ、ユーフィットの会計テンプレート「会計テンプレート for AX」は、多くの日本企業が使っていると想定される22種類の管理帳票をあらかじめ備える。具体例を挙げると、伝票発行や仕訳チェックリストなどの日次帳票、残高試算表や賃貸対照表などの月次帳票、予算前年対比賃貸対照表や部門別損益計算書などの管理帳票、といったところだ。加えて、罫線や網掛けをあしらった見栄えのよいフォーマットで出力することもできる。
管理会計への対応としては、複数の階層型組織マスターを手軽に設定できるようにした。また入力画面においては、日本の会計業務に合わせて仕訳の入力項目を絞り込み、画面を簡易化する工夫も凝らしている。
ERPを未導入の大手・中堅企業に対し、SAPやオラクル製品よりも安価かつスピーディに導入できる点を売り物にアピールする。価格は3000万円から。今後は、売掛、買掛管理機能や国際会計基準に適用するテンプレートなどを用意して機能を拡張する予定だ。