日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2009年11月30日、インテルAtom N280プロセッサを搭載し、初期設定の簡略化機能を備えたシンクライアント端末「HP t5740 Thin Client」(t5740)を発表した。価格(税込み)は4万8,300円。12月3日より販売開始する。
また、同時にデスクトップ仮想化環境の構築ソフトウェア「Citrix XenDesktop 4」をx86サーバーHP ProLiantファミリー向けに新しく販売するほか、従来から販売しているVMware製品では、最新版のVMware View 4.0の販売を開始。顧客は仮想デスクトップ環境を構築するためのシンクライアントやサーバーといったハードウェアからOS、ソフトウェア、サポートまでを一括で購入可能となる。
t5740の主な特徴は、以下のとおり。
- VMware View/Citrix XenDesktop/Webアプライアンスの設定がワンタッチで行えるなど、初期設定作業の手間を削減可能な独自ソフトウェア「HP Easy Config Utility」を搭載。サーバーベースドコンピューティングやブレードPC、クライアント仮想化ソリューションの端末のほか、Webアプライアンスを利用した図書館や店舗用の専用端末としても利用可能。
- インテル Atom N280プロセッサ(1.66GHz)の搭載により、従来モデル(t5730)と比較して約1.3倍以上(同社比)の処理性能向上が可能になっている。
- 映像出力端子として、VGA端子に加え次世代規格のDisplayPortを備え、2画面同時出力を標準でサポート。
- オプションの拡張モジュールを追加することで、PCI Express ×4スロットまたはPCIスロットを増設することも可能。
- プリインストールOSには、Windows Vistaと親和性の高いWindows Embedded Standardを搭載。
- 管理ツールとして、端末のシステム設定を集中管理できる「HP Device Manager」と「HP Client Automation」、USBメモリを利用したイメージ配布ツール「HP ThinState」などのソフトウェアをバンドルし、ネットワーク環境の規模や用途に応じて使用可能。
また、仮想デスクトップ環境のための最新ソフトウェアとして、以下の2製品を提供する。両ソフトウェアとも、HP製品として販売、サポートの提供を行う。
- 「XenDesktop 4」では、FlexCastデリバリテクロノジの搭載によって、「タスクワーカー」、「オフィスワーカー」、「モバイルワーカー」などのデスクトップ配信モデルをサポート。それらの組み合わせをいつでも変更できる統合ソリューションとして利用可能。
- 「VMware View 4.0」は仮想化プラットフォームVMware vSphere 上に構築され、新しいPCoIP(PC-over-IP)プロトコルにより、デバイスタイプやネットワーク接続状況および場所を検出して動的に適合させることで、アクセスするユーザーの状況に応じたデスクトップ体験を提供。
各製品の構成と価格は、下表のとおり。
製品名 | 販売価格(税込み) |
HP t5740 Thin Client 構成:インテル Atom N280(1.66GHz)、2GBフラッシュメモリ、1GB DDR3メモリ、Windows Embedded Standard 正規版 |
4万8300円 |
VMware View 4 Enterprise Starter Kit 10VMパック | 21万円~ |
Citrix XenDesktop 4 Enterprise Edition 20 NUライセンス | 53万7600円~ |
「HP t5740 Thin Client」に関する製品情報
http://www.hp.com/jp/t5740