[海外動向]
セールスフォース、「Chatter」で企業システムとSNSを融合へ、非クラウドベンダーに強気の“口撃”も
2010年1月7日(木)IT Leaders編集部
2009年11月17日、快晴。米セールスフォース・ドットコムの年次イベントであるDreamforceの開催初日だ。会場となったサンフランシスコ市内のモスコーニセンターには、60カ国以上から1万9000人に上る参加者が詰めかけた。
2009年11月17日、快晴。米セールスフォース・ドットコムの年次イベントであるDreamforceの開催初日だ。会場となったサンフランシスコ市内のモスコーニセンターには、60カ国以上から1万9000人に上る参加者が詰めかけた。基調講演が始まる午前9時になっても、会場受付には長蛇の列。講演開始が大幅に遅れたのは、そのためだろう。
発表内容:システム更新情報を自動表示
初日の最大の見せ場は、「chatter」と呼ぶ新機能の発表である。chatterとは、企業内のコラボレーションを促進するためのアプリケーションである。社員の連絡先や専門分野、職歴などを掲載する「プロファイル」をはじめ、作業の最新状況を書き込む「ステータス更新」、任意の社員のステータス更新情報を一覧できる「フィード」といった、一般的なSNSと同等の機能を備える。
フィード機能において表示されるのは、社員が書き込んだ情報だけではない。Salesforce CRMに商談完了や競合の出現といった情報が新たに入力された際、それらも自動で表示する。SAPやOracleといった他社製のアプリケーションのステータスを表示することも可能だ。このほか、共有コンテンツに変更が加えられたことも、ユーザーのフィード画面にリアルタイムで通知される。
chatterは、企業システムとSNSの統合へ向けて、セールスフォースが示す解といえるだろう。同社には、chatterによって顧客企業1社あたりのユーザー数を一気に増やせるという読みもある。「従来、当社のサービスを実際に使うユーザーは営業担当者やサポート担当者に限られていた。これに対して、企業内の全社員を対象にしたchatterは、当社に収益拡大の機会をもたらす」(ジョージ・フー代表取締役副社長)。
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