日本電気(NEC)は、地方公共団体を対象に「住民情報」「総合窓口」「財務会計」「人事給与」「文書管理」の5種類の基幹業務システムを、ネットワークを介して提供するSaaS型のサービス「GPRIME for SaaS」(ジープライム・フォー・サース)として商品化し、2010年1月22日より販売を開始した。
「GPRIME for SaaS」は、同社が2009年4月に山形県置賜(おきたま)地域で提供を開始した、基幹業務システムのASPサービスでのノウハウをもとに標準化し、全国展開を可能にしたもの。
同社はこれまで、地方公共団体向けシステム構築の経験やノウハウを「GPRIMEシリーズ」というパッケージソフトウェア群として提供してきたが、昨今、各団体が進める業務の効率化や環境変化への対応において基幹業務システムのサービス利用が注目されつつあることから、今回「GPRIMEシリーズ」のサービス化を行ったとのこと。
同サービスの特徴は以下のとおり。
- 地方公共団体のニーズに応じて、「それぞれの団体が標準システムを利用する形式」と「特定地域の複数団体が共同で標準システムを利用する形式」の2つのパターンを用意。
- 「住民情報」「総合窓口」「財務会計」「人事給与」「文書管理」の5つの業務システムにより基幹業務ほぼすべてに対応。
- 同サービスの導入に際し、提供システムに沿って既存業務を見直すことで、BPR(Business Process Re-engineering:業務改革)が実現可能となる。同社の試算では、基幹システムにかかるトータルコスト(TCO)を従来比で約30%の削減、システム導入期間を従来比で約50%の短縮が可能。
- 基幹業務に付随するデータ入力・帳票出力(印刷)・帳票の封入・配送などの作業をアウトソーシングサービス(オプション)として提供。基幹業務にかかわるトータルなサービスを提案する。
同社では、これまで地方公共団体向けのASP・SaaSを手がけてきたメンバーを中心に、「GPRIME for SaaS」の企画・開発・販売・サポートを行う推進組織を2010年2月に要員50名の体制で設立する。人口10万人未満の地方公共団体を中心に積極的に提案を行い、今後3年間で200団体への導入を目指す。