日立情報システムズ(以下、日立情報)は2010年1月25日、クラウド型のサービスと顧客企業占有リソース型アウトソーシングサービスの双方の特長を兼ね備え、顧客のビジネス形態に適したITリソースをきめ細かく提供するビジネスクラウドサービス「BusinessStage」の本格的な展開を同日より開始すると発表した。
日立情報では、リソースを仮想化して顧客にオンデマンドサービスを提供する「プール化構想」を2006年に発表し、それを支える基盤として、データセンタ設備の強化やクラウド型サービスのインフラ整備などを進めてきた。その一環で、クラウドコンピューティングの中核技術である仮想化にも重点的に取り組み、昨年にはITコストの最適化を図る商品・サービスを取り揃えた「VSolution」を開始している。そして今回、これらの活動を通じて蓄積した仮想化技術、クラウドを利用したシステムの構築・運用技術、データセンタの運用技術を組合せてサービスを体系化し、ITシステムの全体最適を実現するビジネスクラウドサービス「BusinessStage」を展開する。
「BusinessStage」について
「BusinessStage」の特長は次のとおり。
- 高信頼・高セキュリティ性とTCOの最適化を両立させたクラウド型のサービス(XaaSサービス)を提供。
- 顧客のITリソースを、日立情報のXaaSサービス、占有のITリソース、パブリッククラウドへと配分し、シームレスに連携させる。
日立情報では「BusinessStage」を構成するサービスを、約3カ月単位のフェーズで順次提供していく予定で、1月から「フェーズ1」として、顧客からの要望が高いサービスの提供を開始する。フェーズ1のサービスは次のとおり。
- XaaSサービス
高レベルの安全性とセキュリティを備えた日立情報のデータセンタによるクラウド型のサービス。
【SaaS】
特定業種向けSaaS : 保険業向けソリューション「AGMate」、外食業向け「BistroMate」など7サービス。
公共向けSaaS : 子自治体向けソリューション「e-ADWORLD2」(2010年1月開始)など3サービス。
共通業務向けSaaS : 中小規模企業向けクラウドサービス(2010年1月開始)など15サービス。
【PaaS】
ビジネスサービス販売プラットフォーム「BIZPARK」 : 業務アプリケーションやシステム運用に対応したプラットフォームサービス。
【IaaS】
リソースオンデマンドサービス「BusinessStage ROD」(新サービス) : 従来のリソースオンデマンドサービスを一段と強化。データセンタにプールしたITリソースを必要なときに必要な量だけ提供するサービスに加え、さまざまな利用形態に柔軟に対応できる「エコノミーモデル」と従量制課金体系を追加する。さらに、インターネット接続サービスと仮想マシン利用の組合せモデルを、より短納期で提供。 - リアルビジネスアシストサービス
日立情報のXaaSサービス、顧客の企業占有ITリソース、パブリッククラウド活用サービスを、顧客のビジネスに応じて組合せ、連携を行うサービス。
ディザスタリカバリサービス「BusinessStage DR」(新サービス) : 顧客が占有するITリソースの災害時に、日立情報のXaaSサービスを用いてシステムを復旧させるサービス。データの復旧とサーバ環境の復旧を導入しやすい価格で提供。
「BusinessStage PremiumPrivate」について
「BusinessStage」によるプライベートクラウド構築・運用サービス。「BusinessStage」を構成する各サービスを適用し、顧客の事業特性に応じた専用クラウドを短期間で構築するサービス。ITILフレームワークに準拠した手法を用いて、導入計画から運用/改善までトータルに提供する。
日立情報は今後、日立グループのクラウドソリューション体系である「HarmoniousCloud」のひとつとして「BusinessStage」を積極的に展開し、2011年度に100億円の売上げを目指すとしている。
ビジネスクラウドサービス「BusinessStage」
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日立情報システムズ
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