日本オラクルは2010年1月28日、同社のデータベース製品の最上位版「Oracle Databse 11g Enterprise Edition(11g EE、R1とR2の双方を指す)」の割引キャンペーンを開始すると発表した。国内限定で実施し、期間は2010年2月1日から5月31日までの4カ月間。導入の敷居を下げることで新版の利用を広げ、いまだ稼働数の多いOracle8や9のリプレースを促したい考えだ。
キャンペーンの名称は「データベース活用促進キャンペーン」。期間中に11g EEと各種オプションを組み合わせた割引パッケージを販売する。
販売するのは、11g EEに(1)データを細分化して複数のストレージに分散配置する「Oracle Partitioning」、(2)アプリケーションのチューニングを自動化する「Oracle Tuning Pack」、(3)パフォーマンスの診断・監視機能を持つ「Oracle Diagnostics Pack」の3つのオプションを組み合わせた「クルクルEE-4」と、これに(4)「Oracle Real Application Clusters」を加えた「クルクルRAC-8」の2つのパッケージ。これらはx86サーバー版で、別途UNIX版の「クルクルEE-3」「クルクルRAC-6」も用意する。クルクルEE-3は735万円(税別)からの導入が可能だ。
割引パッケージのライセンス体系には、5年間の利用期間制限付きの「5 Year Term License」を採用している。「国内企業はプロジェクト単位でのシステム導入が多く、5年周期でのリプレースが多いという事情に合わせた」(常務執行役員システム事業統括本部長の三澤智光氏)。割引パッケージに含まれない他のオプション製品も、別途Term Licenseで購入可能。5年間の契約期間終了後には通常版の購入が必要となる。詳細は明らかにしなかったが、期間終了後に通常版に優待価格で移行可能にするアップグレードパスを用意する予定だ。
大企業の中規模システム向けを主要ターゲットに据える。「今までEEを利用したいと思っていたが、コストの面で普及版のStandard EditionやマイクロソフトのSQL Serverを選択していた組織に選択肢を提供する」(三澤氏)。販売目標は、5月末までにクルクルEE-4を200~300セット、同RAC-8を20~30セット。富士通や日本ヒューレットパッカードなど、同社と再販契約を結んだ販売パートナー経由で販売する。
価格はすべて税別で、x86サーバー版のクルクルEE-4が4プロセサ980万円、同RAC-8が8プロセサ2590万円と、通常版に比べて約67%引きに設定した。保守サポート料金はクルクルEE-4の場合308万円、同RAC-8の場合814万円と、こちらも通常版より約53%割り引く。UNIXサーバー版のクルクルRAC-6は6プロセサ1942万5000円。