NECは2010年1月21日、クラウドコンピューティング環境の構築に必要な製品をパッケージ化した「Cloud Plat-form Suite」を発売した。ハードとソフト、構築支援サービスをセットで提供。製品の選択や設定、構築などに要する期間を短縮してクラウド環境の早期運用を支援する。
構成は、同社の製品が中心となる。サーバーは「Express5800シリーズ」、ストレージは「iStorageシリーズ」、ルーターなどのネットワーク機器には「UNIVERGEシリーズ」を使用。プランにより台数や機器を使い分ける。
このほか運用管理ソフトには、物理/仮想環境を統合管理できる「WebSAM SigmaSystemCenter」を、仮想化ソフトはマイクロソフトの「Win-dows Server 2008 R2 Hyper-V」もしくはヴイエムウェアの「VMware vSphere 4」を使用する。これら製品の組み合わせによる検証を済ませ、ソフトのインストールや設定などを施したうえで顧客に納品する。従来は運用開始まで5日前後かかった作業が、「開梱と配線だけすればよいため最短1時間で済む」(NEC)という。
顧客のニーズに応じて3つのプランを用意する。「スタンダードパッケージ」は中堅企業向けの製品構成で、省スペース性と低コストを前面に打ち出す。13Uサイズのラック内にサーバーやストレージなどを集約する。100VのAC電源で運用可能なことから、電源工事を要せずに企業内に設置できる。
「エンタープライズパッケージ」は企業や官公庁向けに、プライベートクラウド構築に最適な製品で構成する。業務拡大に伴うサーバーの増設に備えた拡張性を重視。基本構成時のサーバーは4台だが、最大16台まで増設できる。
「データセンターパッケージ」は大規模なクラウド環境を構築するための製品で構成する。40台のサーバーを用いることから局所冷却装置を標準で装備。冷気と暖気を分離する冷却フローによって空調コストの無駄を抑える。
価格(税別)はスタンダードが871万円から、エンタープライズが3880万円から、データセンターが2億5000万円から。オプションで、障害を検知する「WebSAM Invariant Analyzer」や、ネットワーク上のパケットの流れを制御する「プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラ」(2010年度末採用予定)などを用意する。 (折川)