富士通とSAP AG(以下、SAP)は2010年4月5日、SAP BusinessObjectsブランドのSaaS型情報分析サービスである「SAP BusinessObjects BI OnDemand」の日本語バージョンを共同開発し、富士通のクラウド環境から日本市場に提供することで合意したと発表した。「SAP BusinessObjects BI OnDemand」は、2006年から提供され、世界で26万人に利用されているSaaS型のビジネスインテリジェンス(BI)・サービスである。
企業の情報システムにおいて、情報の分析・利活用および企業内外での情報共有は、経営環境の変化に対応した経営判断や現場マネジメントを行うための大きなテーマとなっている。しかし、クラウド時代では、必要な情報がクラウド環境や個人のPC上に分散しているため、その情報を収集・分析し、経営から現場業務までビジネスのあらゆるフェーズに生かすためのBIサービスが必要である。
今回両社が提供する「SAP BusinessObjects BI OnDemand」は、分散した経営情報を集め、組み合わせて分析、共有することで、経営の見える化を実現する。例えば、提供機能の一つであるデータマッシュアップは、個々に構築された業務システムから収集した会計データや受注データを、一つの業務システムデータのようにPC画面上で閲覧でき、経営分析やレポート作成を行うことができる。
また、同サービスはSaaS型なので、インターネット経由で利用でき、システム構築の必要がない。また、顧客の既存のクラウド・システムや外部データ、他社SaaSとの連携などが可能で、統合的な情報活用を実現できる。さらに、瞬時に検索・分析が可能な「SAP BusinessObjects Explorer」の機能も標準搭載されているので、あらゆる経営情報に即座にアクセスし、ナビゲートすることも可能になる。
両社は、グローバルパートナーとして、ERP分野で協業を進めているが、今回の協業を通じて、今後はBI分野においても戦略的パートナーとして協業を深めていくとしている。
SAP AG
http://www.sap.com/index.epx