日本ヒューレット・パッカードは2010年7月20日、SAN(Storage Area Network)向けのストレージシステム「HP StorageWorks P4800 G2 63TB SAS BladeSystem SANソリューション(P4800)」を提供開始した。ストレージ管理機能を充実させつつ価格を抑え、主にVDI(デスクトップ仮想化)システムでの活用を見込む。
P4800は、ストレージ管理ソフトウェアを導入したブレードサーバー4基と、450GBのSASディスクを140個搭載した拡張ディスク「HP StorageWorks Modular Disk System 600」を2基、それらを接続する3GbpsのSASスイッチ2基で構成するSAN向けのストレージシステムだ。
ハードウェアに汎用品を利用することで、価格を2940万円と同社のSAN向けストレージ「HP P4000 G2 SAN(P4000)」シリーズに比べて「3割程度安価に設定した」(宮坂 美樹担当マネージャ)。通常のP4000シリーズでは、ストレージ管理ソフトウェアとディスクを専用筐体に納めている。
ストレージ管理機能を充実させた。システムを稼働したままノードを追加してスケールアウトできる「ストレージクラスタリング」機能や、複数のノードにデータを分散保存して冗長化する「ネットワークRAID」、ボリュームの容量を仮想化して物理ディスク容量を大きく見せる「シンプロビジョニング」といった機能が標準で利用できる。これらの機能は、P4000シリーズが搭載する管理ソフトウェア「SANiQ8.5」を搭載することで実現している。
同社はP4800の管理機能とコストメリットを前面に打ち出し、主にVDI向けに訴求する。「VDI導入のハードルの1つが、コストと可用性のバランスが取りづらいことだった。P4800では価格を抑えつつ高い可用性を実現できる」(クライアントソリューション本部の九嶋 俊一本部長)。
1000クライアント構成向けに、P4800とブレードサーバー「HP BL465c G7」、シンクライアント端末「HP ThinClient t5325」、デスクトップ仮想化ソフト「VMware View」などを組み合わせた「HP VDIリファレンス・アーキテクチャー」も提供する。価格は1クライアント13万4907円。2010年末まではキャンペーン価格として1クライアント9万円で提供する。