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[市場動向]

セールスフォース、NTTコミュニケーションズと組み国内データセンター開設へ

2010年11月12日(金)力竹 尚子(IT Leaders編集部)

セールスフォース・ドットコム(SFDC)は2010年10月5日、同社の年次イベント「Cloudforce」において、国内データセンターを2011年内に開設することを明らかにした。NTTコミュニケーションズの設備を利用する。SFDCは現在、米国とシンガポールにデータセンターを設置し、グローバルにサービスを提供している。

これまで、顧客情報や取引情報を海外の施設に預けることに対して抵抗を感じる日本企業は少なくなかった。SFDCは、今回のデータセンター新設によりこうした不安を払拭。新たなユーザーに訴求するとともに、既存ユーザーやパートナーに信頼感を与えることを狙う。同社のケンダル・コリンズCMOは「日本はSFDCにとって、米国に次ぐ第2のマーケット。新データセンターは、『我々は今後も日本で長くサービスを提供し続けていく』という強い意志のあらわれだ」と話す。ユーザー企業にとっては、サーバーへの物理的距離が短くなることから、処理性能が向上するメリットも見込めるという。

一方、SFDCは国内ベンチャーに出資することも発表した。マーケティング支援機能をSaaS型で提供するシナジーマーケティングと、業務・資本提携に関する契約を締結。Force.com上でSalesforce CRMと連携して動作する「Synergy! LEAD on Force.com」の開発を支援していく。この新サービスにより、ユーザー企業はマーケティング活動によるリードの獲得から、営業活動による商談や受注までのプロセスを一元管理できるようになるという。サービス開始は2011年上半期の予定。

イベントでは、日本市場の拡大に向けて老舗ベンダーと協業する動きもアピールした。CA Technologiesとの戦略的提携を発表。10月5日、同社のアジャイル開発プロジェクト向け管理ツール「CA Agile Vision」を、Force.com上で提供開始した。このほか、すでに5月からグローバル協業を展開している富士通との取り組みも進展を見せた。富士通は、これまでグループ企業であるGlovia InternationlがForce.com上で在米企業向けに展開していた「gloviaオーダーマネジメント」を、10月4日から国内で販売開始した。

SFDCが提供するサービスの新版もリリースされた。「Chatter2」だ。Chatterは、企業向けのSNS型コミュニケーションツールである。新版は、コメントをグループやユーザー別にフィルタリングする機能や、特定のトピックに関連づけるハッシュタグ機能などを実装した。「Chatter2により、他ベンダーに大きく水をあけた。今後は1年に3回のバージョンアップを施し、機能をさらに拡張していく」(コリンズ氏)。 (力竹)

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