富士通は2010年11月22日、サーバやストレージを仮想化・自動化し、顧客専用に構築するプライベートクラウドを、サービスとしてワンストップで提供する「プライベートクラウドサービス」を、同日より販売開始すると発表した。同サービスは、顧客のプライベートクラウド導入の企画・設計から、構築、運用・保守、撤去・廃棄までのライフサイクル全体を受託するアウトソーシングサービスである。同社は、今後5年間の販売目標として、導入企業1000社、3000億円を目指すとしている。
「プライベートクラウドサービス」の特徴は次のとおり。
- プライベートクラウドの安定稼働と継続的改善を実現
仮想化・自動化し、継続的に変化するプライベートクラウドに対する複雑な運用・保守作業を、独自に開発した標準運用テンプレートを活用して実施する。安定稼働を維持するため、全国8カ所のLCMサービスセンターに在籍するサービスエンジニアが24時間365日体制でリモートにて運用する。また、サービスマネージャーが、顧客の統括窓口としてワンストップで対応し、ライフサイクルを通した状況把握・分析・品質改善を自律的かつ継続的に行う。 - オンデマンドでの利用によるICT投資の最適化
プライベートクラウドのインフラ環境に対する各種の設計・構築・運用・保守サービスを、オンデマンドで利用することを可能にする。業務量に応じた料金契約とともに、初期コストの月額料金への平準化、運用コストの可視化、業務変更・拡張に合わせたICT投資の最適化を実現できる。利用にあたっては、最短契約期間・基本料金の設定など、同社所定条件の適用が必要になる。 - 見える化によるICTシステム全体の最適化
現状の業務、アプリケーション、インフラ環境の見える化を行い、顧客に最適なプライベートクラウド環境を見極める。ハイブリッドクラウド実現も視野に入れ、クラウド・コンピューティング導入後のコスト削減効果を明確化し、ICTシステム全体の最適化を実現する。 - 高信頼なプライベートクラウドを短期間で導入
5000件を越えるクラウド・コンピューティング関連商談への対応実績をベースに確立した標準設計・構築テンプレート、安定稼働を考慮した設計手法、あらかじめ構築・編成されたサービス基盤とサービス要員を最大限に活用し、短期間での導入を実現する。
「プライベートクラウドサービス」のサービスメニューは次のとおり。
- 【クラウドオンデマンドサービス】
プライベートクラウドのインフラ環境に対し、「クラウド構築サービス」「クラウド運用設計サービス」「クラウド運用サービス」を、オンデマンドで提供する。 - 【クラウド構築サービス】
現行業務の調査・分析を行い、最新のクラウドプロダクトを最大限に活用した最適なインフラ構成設計を実施。その設計に基づき、クラウドシステム環境の構築・テスト・移行を実施する。 - 【クラウド運用設計サービス】
現行運用の調査・分析を行い、最適な運用プロセスと体制移行計画を立案。その計画に基づき、詳細手順の作成と運用テスト、現行体制からの移行を実施する。 - 【クラウド運用サービス】
運用保守総合モデル166項目に加え、クラウドシステム固有の運用項目(プロビジョニング・リソース配備・仮想リソース監視・利用情報収集など)を実施する。 - 【APMモダナイゼーションサービス for Cloud】
クラウド環境に適した業務システムの見極めから、適切なクラウド環境への移行、移行後のアプリケーション運用・保守までを実施する。
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「プライベートクラウドサービス」
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