日本アバイアは2010年11月24日、Ethernet接続の経路制御を簡素化する規格「IEEE 802.1aq」に準拠したスイッチ製品を発表した。最初の製品として、シャーシ型のL2/L3スイッチ「Avaya Virtual Services Platform 9000(Avaya VSP 9000)」を2010年11月30日に出荷する。価格は最小構成で1000万円程度から。
Avaya VSPは、IEEE802.1aq(Shortest Path Bridging、最短パス・ブリッジング)に準拠したスイッチ機器である。Ethernetフレームをカプセル化して経路判断のための情報を付与し、IS-IS(Intermediate System to Intermediate System)を用いてレイヤー2でルーティングする。同規格に準拠したスイッチ機器同士でクラスタを構成し、Ethernetのファブリックを実現できる。IEEE 802.1aq類似の技術としては、IETFが標準化を進めているTRILLがある。
同スイッチを用いてL2のクラスタを構成することで、例えば、仮想サーバー環境の運用が容易になる。データセンター間での高可用性バックアップや仮想サーバー機のマイグレーションなどの場面において、個々のスイッチのポートにあらかじめVLAN設定を施しておくといった必要がなくなる。仮想サーバーとの連携では、VMwareの管理ソフトであるvCenterと連携するAPIを実証済み(2011年に提供予定)。
最初の製品であるAvaya VSP 9000は、ネットワークのコア部分などに用いる、シャーシ型のL2/L3スイッチ。総スループットは出荷時に8.4Tビット/秒で、将来的に27Tビット/秒まで拡張可能。2011年春には、VSP製品の第2弾として、ラック内のサーバー機やストレージ機器を収容するトップ・オブ・ラック製品を出荷する。なお、2010年7月に出荷したスイッチ「Avaya Ethernet Routing Switch 8800」も、ソフトウエア・アップグレードでIEEE 802.1aqに準拠する。
なお、同社のネットワーク機器は、米Avayaが買収したカナダNortel Networksのエンタープライズ事業の製品群である。