NTTデータ、NTTデータ先端技術、NTTデータ スミス、日本オラクルの4社は2011年1月31日、小売業務での分析ニーズに対応するレポートをテンプレート化したデータウェアハウス(DWH)/ビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションを開発し、2011年3月からのサービス提供に先駆けて、2月より本格的な営業活動を開始すると発表した。
発表によれば、企業内外の膨大な情報を分析し、リアルタイムに的確な意思決定を行うためのDWH/BI導入のニーズにおいて、特に総合スーパー、コンビニをはじめとする小売業では、POSデータを活用した定量的な分析が在庫、品揃えの適正化、店舗改善に効果的である。しかし、コスト面の問題でDWH/BIの導入に踏み切れていない企業も多く、短期間、低コストで導入できるソリューションが求められていることから、4社は今回、レポートをテンプレート化したソリューションを開発したという。
同ソリューションは、以下の3つで構成される。
- レポートテンプレート
- データモデル
- データ分析基盤
格納されたデータを表やグラフにより視覚的に表示するレポート部分にはBIツールの「Oracle Business Intelligence」、データを格納するデータモデル部分は小売業向けデータモデル「Oracle Retail Data Model」(ORDM)、データベース製品は「Oracle Database」を用いている。また、分析基盤としてデータベース・マシン「Oracle Exadata」と組み合わせることで、大量データの検索、集計処理の性能向上も可能となっている。ORDMは、米国の小売業標準データモデルであるARTSをベースに作成されたデータモデルであり、米国を中心に展開していたが、今回日本でも展開を進めていくとのこと。
同ソリューションでは、小売業でのシステム開発経験、知見、およびDWH/BIの開発技法、データ分析方法論を有するNTTデータと、オラクル製品の専門的な技術部隊を擁し、販売から技術支援、保守サービスまで提供しているNTTデータ先端技術、および製品の販売元である日本オラクルが連携して開発した。さらに、小売業の情報活用に実績のあるNTTデータスミスが情報活用の支援を行う。
価格は、初期導入費用(ハードウェア除く)が3,000万円から。要望により価格は異なり、要件に応じた価格は個別見積もりとなる。
なお、同ソリューションの特徴は以下のとおり。
- 小売業の分析ニーズに対応したレポートテンプレート
小売の主要5業務(予実管理、在庫・仕入管理、品揃え管理、販売管理(カテゴリー別)、店舗運営)についてレポートテンプレートを作成。業務単位でテンプレート化しているため、企業のニーズ、予算感に合わせて必要なテンプレートを取捨選択して導入することが可能。 - 活用シーン、分析シナリオ(実業務でのレポートの見方、使い方)を定義
NTTデータ独自のBIシステム開発技法を用いて、各業務におけるレポートの指標の見方、それに基づいた判断のプロセスを体系化。それにより顧客業務・運用への早期の定着を推進する。 - 開発期間の短縮
あらかじめ用意されているレポートテンプレートを基に顧客業務との適合部分、カスタマイズが必要な部分を切り分けるフィットギャップ分析を行い、その結果に基づいて開発を実施するため、レポート開発にかかる工数を削減可能。また、テーブル定義などデータベースの設計にかかる工数もORDMを用いることで削減可能。 - マーケティング視点での情報分析の支援
NTTデータスミスが提供するサービスを利用することで、アンケートの結果や各種統計データなどの外部データが取得でき、社内環境だけでなく市場と自社を相対的に比較した分析が可能になる。また、顧客の分析負荷軽減や標準化のための指標作成など分析支援・代行等の各種サポートも可能。
今後、NTTデータ、NTTデータ先端技術、NTTデータスミスはテンプレートとなるレポート類の追加、テンプレート適用業務の追加などの機能拡充を行うとともに、導入前の基本構想策定コンサルティングや導入後の定着化支援など、上流工程から運用まで一貫したサービスの拡張、体制づくりを進め、日本オラクルは技術支援とともに豊富なチャネルを活用した営業活動を行い、4社で協力して同ソリューションの普及・展開を目指していく。
NTTデータ
http://www.nttdata.co.jp/index.html
NTTデータ先端技術
http://www.intellilink.co.jp/
NTTデータ スミス
http://www.smis.co.jp/
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