Oracle GoldenGate 11g など/日本オラクル 日本オラクルは2011年1月末、相次いで新製品を発表した。Oracle Databaseを補完するソフトやトランザクション性能を重視したアプライアンスなどのラインナップを強化し、企業の多様なニーズに応える姿勢を打ち出す。
[Oracle GoldenGate 11g]
DB同士をリアルタイムに連携
2011年1月25日に発表した「Oracle GoldenGate 11g」は、複数のデータベース間でデータの連携・統合を図る製品。主な用途として、(1)分散システムにおける同期/複製などによるデータ連携、(2)システム拡張に際してのDBの移行/アップグレード、(3)複数のデータソースを対象とするリアルタイム分析、などを挙げる。
米オラクルが2009年7月に買収したGoldenGate Softwareの製品がベースになっている。Oracle DB(異なるバージョンでも可)のほか、SQL ServerやSybase IQなど主要なDB製品に対応する。中核となるのはDB間の高速レプリケーション(複製)技術だ。最初だけはデータ全体の複製が必要だが、以降は差分データ(ログ)を漏れなく反映させる独自の仕組みで、信頼性を担保しながら高速な連携を図る。この際、一方通行のデータ複製だけでなく、双方向でデータの同期を図ることも可能だ。
価格は1プロセサあたり190万2200円から。
[SPARC Supercluster]
複雑な書き込みに向くサーバー
翌1月26日にはサーバー「SPARC Supercluster」を発表した。トランザクション性能を重視した、データベースサーバー向けアプライアンス製品で、ストレージやネットワークスイッチと組み合わて提供する。
事前検証を済ませた同社の製品群で構成しており、複雑な設定をすることなく導入できることを前面に打ち出す。具体的な構成要素は、SPARC搭載サーバー(SPARC T3-2、SPARC T3-4、SPARC M5000の3種類を用意)、ストレージ「Sun ZFS Storage 7420」、サーバー間接続やストレージ接続用のInfiniBandスイッチ「Sun Network ZFS InfiniBand」だ。
データベース処理性能を測定する上で1つの指標となるTPC-Cベンチマークにおいて、1分あたりトランザクション数(tpmC)は3024万9688回。これは記事執筆時点では、世界1位だという(データは2010年12月に登録)。
同社はデータベース専用機としてExadataをすでに市場に投入している。ExadataがDWHを主な用途としているのに対し、SPARC SuperclusterはTPC-Cベンチマークのような比較的複雑な書き込みトランザクションが発生する業務に向くとする。2011年内に出荷を開始する予定だが、現時点では価格は未定である。
[DWH/BIソリューション]
小売り業向け分析作業を効率化
NTTデータほか2社とともに、1月31日には小売業向けDWH/BIソリューションも発表した。Oracle DatabaseとBIソフト「Oracle Business Intelligence」、ハードウェア「Oracle Exadata」などで構成する。
テンプレートを活用し、定量情報を確認しやすくした点が特徴。在庫や仕入れ、予算/実績などの小売業が必要とする情報を容易に把握できる。必要なテンプレートを選択して利用可能なほか、定量情報の見方や、それに基づく判断のプロセスをNTTデータが体系化したことで、分析業務の早期定着も支援する。
価格は個別見積もり。初期導入費は3000万円から(ハードウェア費用は除く)。2013年度末までに15億円の受注を見込む。 (日川/折川)
日 付 | 製品名 | 価 格 |
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2011年1月25日 | Oracle GoldenGate 11g | 190万2200円(1プロセサあたり) |
2011年1月26日 | SPARC Supercluster | 未定 |
2011年1月31日 | 小売業向けDWH/BIソリューション | 個別見積もり(初期費は3000万円から) |