CA Technologiesは2011年3月24日、ER(Entity-Relationship)図を用いたデータ・モデリング/データベース設計ツールの新版「CA ERwin Data Modeler r8」を発表した。2011年4月1日に出荷する。新たに内部コードを作り変えて使い勝手を高め、描画機能、レポート作成、バージョン管理などの機能を強化した。価格は48万円(税別)。
CA ERwin Data Modelerは、ER図をベースとしたデータ・モデリング・ツール。論理モデル/物理モデルの作成と相互同期、データベースへの反映などができる。データベース設計を支援するほか、データ・モデルの一元管理により、企業にどのようなデータがあるのかを可視化するデータ管理用途にも利用できる。
新版では、従来版(r7.2)のコードを引き継ぐことなく、内部コードをCからC++とJavaベースに変えて作り変えた。これにより、見た目と操作感が変わり、使い勝手が高まった。特に、ER図の描画表現が向上し、作図専用ソフトのように、エンティティ(属性)に色を付けたり、属性間をつなぐ線の太さを変えたりできるようになった。
また、モデルを社内で共有/可視化するための機能を強化した。レポート作成ソフトのCrystal Reportsを標準で搭載し、視認性の高いレポートを出力できるようにした。従来は、単純なHTMLデータを出力することしかできなかった。さらに、BIソフトのBusiness Objectsと連携できるようにした。
チーム開発向けの機能も強化した。従来はオプションとして提供していた専用のバージョン管理ソフト「Model Manager」の機能を標準で組み込み、複数の設計者による共同作業を可能にした。外部の共有リポジトリに対してモデルをcheckin(登録)/checkout(抽出)できる。また、複数の設計者が分担作業で作成した大規模なモデルを自動的にレイアウトできるようにした。
新版ではまた、データベース設計の対象として、IBM DB2が備える各種の機能を利用できるようにした。機能の例は、以下の通り。パーティショニング、グローバル・テンポラリ・テーブル、圧縮、ニックネーム、コラム・ラベル、XMLデータ・タイプ、クエリー文最適化。
価格も下げた。従来版は90万円(税別)で、オプションのModel Managerが24万円(税別)。これに対して、新版は、Model Managerの機能を含んで48万円(税別)。