TKCは2011年3月24日、栃木県下野市でTKCクラウドサービス「TKC行政ASP/証明書コンビニ交付システム」の稼働を同日より開始したと発表した。同システムは、総務省が住民の利便性向上と住基カードの多目的利用の一環として推進している「コンビニエンスストアのキオスク端末による証明書等の交付(コンビニ交付)」を、クラウドサービスで実現するシステムである。
「TKC行政ASP/証明書コンビニ交付システム」は、電子自治体を推進するTKCの11番目の行政ASPサービスになる。また、コンビニ交付システムとしては「LGWAN-ASPで初の全国で利用可能なシステム」で、2010年12月に財団法人地方自治情報センターのLGWAN-ASPサービスへ登録している。
コンビニ交付とは、住民が市役所や支所の窓口などへ出向くことなく、コンビニ(現在はセブン-イレブンのみ)に設置されたキオスク端末を使って、窓口業務時間外でも証明書を取得できるものである。
■「TKC行政ASP/証明書コンビニ交付システム」の内容(2011年3月1日現在)
交付可能な証明書は、住民票の写しと印鑑登録証明書。
交付可能な場所は、全国約1万2700店舗のセブン-イレブン。
交付可能な時間帯は、12月29日から1月3日を除く、6時30分から23時まで。
これにより、下野市民は「住民票の写し」等の証明書を住所地である市内12店舗に限定されることなく、また夜間や休日、通期途中など市民の都合に合わせた時間帯に、コンビニに設置されているキオスク端末で住基カードを利用して証明書等を申請、取得することができるようにな。
「TKC行政ASP/証明書コンビニ交付システム」の主な特徴は次のとおり。
- 証明発行サーバを共同利用することで、市区町村での単独構築型に比べ初期投資コスト・運用コストを低減できる。
- TKCインターネット・サービスセンター(TISC)で、証明発行サーバを運用することにより、市区町村の運用管理の負担を軽減できる。またTISCはLGWAN-ASP接続資格審査合格に加え、ISMSの認証基準ISO/IEC27001を取得しており、また24時間365日、有人監視にて証明発行サーバの運用を行うことで、安全・安心を実現する。
- TISCに構築済みの証明発行サーバを利用できるため、市区町村での単独構築型に比べより迅速にサービスを稼働することができる。
情報セキュリティの概要は次のとおり。
- 【住基カード(ICカード)の使用】:市民カード(磁気カード)より高セキュリティな住基カード(ICカード)が使用される。
- 【偽造・改竄防止対策】:コンビニエンスストアでの証明書の印刷時、証明書の偽造・改竄を防止するため、けん制文字、QRコード、偽造防止検出画像、スクランブル画像による対策が講じられている。
- 【専用の通信ネットワーク】:市区町村単独でコンビニ交付システムを構築する場合、証明書交付センターと市区町村のネットワークはLGWAN、コンビニエンスストア店舗と証明書交付センターのネットワークは専用回線である。
同システムの経費概算は、ASPサービス利用料金が月額20万円~(別途、当初構築費およびICカード標準システム関連経費が必要)。なお、同社は今後5年間で、50団体への導入を目指すとしている。
TKC
http://www.tkc.jp/