ウイングアーク テクノロジーズは2011年8月22日、ダッシュボードツール「MotionBoard」を発表した。同社の「Dr.Sum EA」をデータソースとする「Dr.Sum EA MotionBoard」を強化し、Dr.Sum EA以外のデータソースも参照できるようにした。
「Double In-Memory OLAP(W-IMO)」と呼ぶ独自技術を採用し、大量データを高速に表示できる点が特徴だ。これは、Oracle DBやSQL Serverなどの複数のデータソースから収集したデータを仮想的に統合し、それらのデータをクライアントのメモリー上に展開して情報を閲覧できるようにする技術。データをクライアントに転送することで、「複数ユーザーがサーバーにアクセスしてパフォーマンスが低下するのを回避した」(ウイングアークの持ち株会社である1stホールディングスの執行役員最高技術責任者 田中潤氏)。
データベースへの負荷を軽減する工夫も盛り込む。クライアントに必要なデータがない場合、サーバー経由でデータベースから差分データを取得することになるが、頻繁にデータを要求すればデータベースの負荷が増してしまう。そこでMotionBoardは、ユーザーが一度要求したデータをサーバーがキャッシュとして保持する機能を備える。他のユーザーが同じデータを要求した場合、データベースを介さずクライアントにデータを転送することを可能にする。
なお、データは圧縮して利用するため、十分なメモリーを搭載しないクライアントでも問題なく動作するという。「100万レコード規模のデータを100MB程度まで圧縮できる。非力なモバイル端末でも負荷がかからないよう配慮した」(田中氏)。価格(税別)は1プロセサあたり1000万円から。
iPadやiPhone、Android OS搭載のスマートフォンで利用可能な「MotionBoard + Mobile」も発表した。PCで利用するMotionBoardと同等の機能を備え、W-IMO技術によりオフライン環境でも情報を参照することが可能だ。価格(税別)は1プロセサあたり1500万円から。2011年11月末より提供を開始する予定。