海外市場の開拓や円高の定着、そして国内市場の飽和……。動機はどうあれ、多くの日本企業にとって事業の海外展開は待ったなしだ。その時、問題になるのが海外の子会社や事業所の事業を支える情報システム。企業全体としてどんなシステムアーキテクチャを描くのか、販売やサプライチェーンなど業務別・国別のシステムはどう構築するのか、システム要員は日本から送り込むのか、あるいは現地で採用・調達するのかなど、考慮すべき項目は多い。
そうした中、情報システムをグローバルで最適化するためのアプローチとして、アウトソーシングやオフシェアリングを発展させた「グローバルソーシング」というやり方が欧米企業で広がっているという。それは、いったいどんなものなのか。来日した米ガートナー リサーチのイアン・マリオット氏に聞いた。
ガートナー リサーチのバイス プレジデントであるイアン・マリオット氏ずばりグローバルソーシングとは何かを聞きたい。
アウトソーシングを発展させたもので、2000年ごろからある考え方だ。コスト削減を最大の目的として、世界中のリソースの活用を目指す。当然、アプリケーション開発だけではなく、インフラの設計や運用監視、そして業務そのもの、つまりBPOにも適用されている。
ITインフラのモニタリングを例を挙げると、データセンターは社会インフラが整っている本国に設置する。その方が結局はコストが安いからだ。しかしセンターの稼働状況の監視や診断は、そうした仕事に長けたインドなどグローバルソーシング先に委ねるといったケースだ。
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