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[アプリケーション基盤の新標準~真の“クラウド対応”に求められる要件を探る~]

クラウド時代における次世代BPMの絶対条件とは

2012年9月13日(木)

企業システムにクラウドが浸透した今日、多様な形態のアプリケーションサービスを統合的に運用できるハイブリッドクラウドの構築が急務となっている。ビジネスの効率化を実現するには、オンプレミスシステム、プライベートクラウド、パブリッククラウドという異なるプラットフォーム間のサービス連携が不可欠なのだ。そこで注目されるのがBPMだが、ハイブリッドクラウド環境に適したBPMシステムを構築するには、いくつかの課題がある。クラウド時代におけるBPMとはどうあるべきか——本稿では、このテーマについて考えたい。

プラットフォームを跨ったデータ連携のモデルを構築すべし

 オープンハイブリッドクラウドによって、プライベートクラウド、オンプレミスシステム、パブリッククラウドで展開される各種サービスをビジネスプロセスに取り込んで連携するための基盤は整った。ここでもう1つクリアしなければならないのが、データ連携のモデルをいかに構築するかということである。

 クラウドとオンプレミスのシステムでビジネスプロセスに基づいた連携を行うことを考えた場合、データ利用のケースを2つ想定しておかねばならない。

 その1つは、ビジネスプロセスに従ってサービスを連携した時に、「このプロセスのこのポイントではこの情報が必要で、次にどのサービスと連携する」といったように、データを利用する順番が大きな意味を持つケースだ。この場合、BPMシステムは論理的なビジネスプロセスの実行をモデル化しているが、システム側ではESBやBPELを利用したサービスオーケストレーションが重要となる。

 もう1つのケースが、単純にピンポイントで他のシステムからデータを持ってきたいだけ場合である。このような時には最も単純な連携方法として、連携先のシステムからデータをCSV形式に変換してダウンロードするというやり方を採用している企業が多い。だが、この方法は柔軟性に欠けるうえに時間的なロスも大きい。

 こうしたケースでの効果的な連携方法としてレッドハットが提唱しているのが、システムを跨いだ仮想データベースを共有するというデータ連携モデルである。例えば、オンプレミス上のシステムがクラウド上のシステムのからある特定の情報がほしいといった時には、クラウド上のシステムを仮想データベースとして捉え、SQLを実行することでほしい情報が取得できるようになる。この仮想データベースという考え方は、クラウド環境を含むさまざまなシステムを跨がったデータソースから仮想的なデータベースを論理的に構築できるため、システム環境の違いを意識することなく、ほしい情報をSQLで瞬時に取得できるのである。

 このような環境を用意すれば、あるシステムに対してWeb APIでアクセスしてデータを連携するようなケースではサービスバスを経由しBPELで連携手順を制御する方法、またWebAPIではなくSQLでデータにアクセスしたいときには仮想データベースを利用する方法、さらに1つのアクセスで複数のデータソースからデータだけを統合して利用したい場合にも仮想データベースといった形で、柔軟なシステム連携やデータ連携を実現できるのである。

JBoss で実現する「オンプレミスとクラウドのシステム連携 & BPMソリューション」の構成イメージ
JBoss で実現する「オンプレミスとクラウドのシステム連携 & BPMソリューション」の構成イメージ

クラウド時代のBPMに不可欠なJBossのソリューション群

 ここまで挙げたような環境は、すべてレッドハットが提供しているソリューション群を活用することで構築可能だ。

 まず、BPMシステムをクラウドとオンプレミスの違いを意識することなくシンプルに構築することが可能なソリューションに「JBoss Enterprise BRMS(Business Rule Management System)」がある。JBoss BRMSは、BPMと複合イベント処理(CEP)を統合したBRMSの単一ソリューションを提供するものだ。BRMSにBPMを統合したことで、アプリケーションの構成要素を「ビジネスプロセス」「データモデル(データサービス)/システムサービス」「ビジネスルール」に分離することができ、BPMのシンプル化に貢献する

JBoss Enterprise BRMSの詳細はこちらを参照
» BPMとCEPを統合したBRMSが生み出す価値

 そして、オンプレミスやクラウドといったあらゆるデータソースを仮想的に統合する基盤となるのが「JBoss Enterprise Data Service Platform(JBoss EDS)」だ。JBoss EDSは、クラウドであろうがオンプレミスであろうがすべてを抽象化して、Webサービスもしくは仮想データソースとしての連携を図ることができるのである。

JBoss EDSの詳細はこちらを参照
» “データベース仮想化”製品が登場、複数のDBから論理ビューを形成 

 このようにレッドハットでは、クラウド時代における次世代BPMを容易に実現することができる、オープンハイブリッドクラウドを実現する基盤ソリューションをエンタープライズオープンソースソフトウェアとして提供している。

*  *  *

 3回にわたってお届けした本企画では、まず初回に従来の“重量級”アプリケーションサーバがクラウド基盤に不向きな点を、そしてJava EAPがなぜクラウドに最適かの説明を行った。続く2回目には、実際にクラウド基盤にJava EAP並びにJBoss製品群を取り入れてビジネスに活用しているユーザー事例を紹介した。そして最後となる今回は、クラウドとオンプレミスが混在した環境でBPMを実践する場合にいかにJBossミドルウェアが貢献できるかについて解説した。すべてに共通して言えるのは、これからのIT基盤に求められるのは、JBossのようなオープンな環境であるということだ。将来のIT基盤を検討する際には、ぜひ「オープン」というキーワードを忘れないようにしてほしい。

IT Leadersでは、特別企画「アプリケーション基盤の新標準~真の"クラウド対応"に求められる要件を探る」を公開しています。ぜひご覧ください。
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