EMCジャパンは2013年3月19日、ハイエンドストレージ「EMC Symmetrix VMAX」の新しい提供形態を開始した。使用量に応じて、ストレージを購入できるようにする。名称は「Cloud Edition」。
従来、EMCは、筐体やディスク、コントローラといったコンポーネントごとに価格を設定。企業は、ストレージ容量やパフォーマンスなどの要件を満たすよう、コンポーネントを組み合わせ、それぞれの価格の合計額を支払ってきた。このため、筐体やコントローラなどの購入が必要となるタイミング、例えば、新規導入や、ディスクが筐体に収まりきらなくなった際に、まとまった投資をする必要があった。
今回発表したCloud Editionでは、ハードウェアの構成にとらわれず、ストレージへの投資コストを平準化できるようにした。具体的には、ストレージ容量ごとに価格を設定。企業は、「チャンク」と呼ぶ単位で容量を購入する。EMCは、購入した容量を利用するために必要な筐体やディスク、コントローラといったハードウェアを用意する。これらの費用は、ストレージ容量の価格に含む。初期導入や容量追加で、筐体やコントローラを導入する必要がある場合も、別途費用は発生しない。
ストレージは、単位時間あたりのI/O性能が異なる複数のグレードを用意。最上位のダイヤモンドから、最下位のブロンズまで14グレードを揃える。FlashやFC/SAS、NK-SAS/SATAなど、複数のディスクの組み合わせで実現する。可用性はいずれも同じ。
なお、「Cloud Edition」を銘打ってはいるが、月額料金制のサービスではなく、あくまで買い切りの製品。ハードウェア資産は企業が所有する。また、ストレージ容量を縮小させることはできない。これまでよりも柔軟にハイエンドストレージを購入できるようにしたというのが正しい理解だ。
最小構成は、シルバー、ブロンズのボリュームを2つずつ組み合わせた47.3TB。1935万5400円(税別)から。EMCジャパンと、認定パートナー経由で販売する。
各アプリケーションに、ディスク容量を割り当てるセルフサービスポータルも提供する。企業がクラウドサービスを運営する際に役立つ。