日本IBMは2013年4月4日、データベース管理ソフトDB2の最新版を発表した。
ソフトウェア事業担当の
マハジャン・ヴィヴェック専務執行役員
ビッグデータ処理に対応するために、リレーショナルデータベース(RDB)の機能と、カラム型インメモリー・データベースの機能を持つハイブリッド型にしたのが最大の特徴である。データ分析のための初期投資や運用管理コストが削減できるとして、まずはビッグデータ分析に取り組みたい中堅・中小企業に向けて提案する。
最新版となる「IBM DB2 V10.5」は、基幹業務用途のRDBに、「BLUアクセラレーション」と呼ぶ技術で、データ集計・分析用途のカラム型インメモリーDBの機能を搭載したデータベース管理ソフト(DBMS)である。基幹業務とデータ集計・分析業務のそれぞれにサーバーを用意したり、両者を結ぶミドルウエアなどが不要になったりするため、これまでより安価にデータ集計・分析業務に取り組めるという。
ソフトウェア事業担当のマハジャン・ヴィヴェック専務執行役員は、「DBMSにはもはや、技術的改善の余地がないように思われているかもしれない。だが、DB2 V10.5は、テクノロジーによるイノベーションが引き続き可能なことを示している。このことが顧客価値になり、新たな市場の創造につながる」と、DB2 V10.5にかける意気込みを示した。
BLUアクセラレーションは、複数のハード技術とソフト技術を組み合わせたデータ分析の高速化技術だ。具体的には、データ圧縮と、インメモリーDBでの列処理、同一ストレージ上にRDBと共存させる技術、およびマルチコアCPUとSIMD(Single Instruction Multiple Data)によるパラレル/ベクトル処理である。これらにより、データ分析処理時間は8~25倍に、データ圧縮率は90%以上になるとしている。
例えば、容量が10テラバイトある10年分の販売データに対し、2010年の販売件数を調べる処理の場合、データ圧縮によりインメモリー上に展開されるデータは1テラバイトになり、これに列処理を加え10ギガバイトに削減させる。さらにデータスキッピングやマルチコアによる並列処理、ベクトル処理によって、一つのCPUコアが処理するデータ容量が8メガバイトにまで小さくなり、処理が数秒以内で終了するという。
ハイブリッド型の考え方は、独SAPのインメモリーDB「HANA」が採用している。HANAとの比較について、ソフトウェア事業担当のマハジャン・ヴィヴェック専務執行役員は、「SAP製品のユーザーにとってHANAは魅力的かもしれないが、SAPユーザーでない企業にとってはどうか。もちろんDB2はSAP製品のデータベースとしてもワークロードの最適化を図っている」とした。
DB2 V10.5の出荷時期は、2013年6月14日。料金・ライセンス情報については現時点では未定である。
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