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アクセンチュア、パブリッククラウドの集約基盤をクラウドで提供

2013年7月19日(金)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

アクセンチュアは2013年7月19日、同社が提供するクラウド・サービス「アクセンチュア クラウド プラットフォーム(ACP)」に関する記者説明会を開催し、ACPの位置づけや提供する機能について説明した。ACPを軸に既存のシステム環境など整理・統合を進めれば、TCO(所有総コスト)を最大40%削減できるという。

ACP(アクセンチュア クラウド プラットフォーム)は、市場にある各種のパブリック・クラウド同士、およびそれらとプライベート・クラウドや既存システムをアグリゲート(集約)するためのクラウド・サービスである(図。複数のサービスを集約したうえで、エンドユーザーに対してはシングルビューで提供するためのポータル機能やシングル・サイン・オン(SSO)といった認証機能などを用意する。

集約するパブリック・クラウドとしては、IaaS(Infrastructure as a Service)からPaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)までをカバーする。グローバル展開しているサービス事業者とパートナーシップを結び、集約のためのAPI整備などを進めていく。オンプレミスの既存システムやプライベート・クラウドとは、データ連携の仕組みを用意したり、既存システムからクラウドへの移行なども請け負う。

アクセンチュアはSCP上で、これらのサービスを集約するとともに、「ユーザー企業が求めるサービス・レベルを確保したり、サービス全体を監視し障害発生時の対応を代行したりすることでTCO削減を可能にする」(テクノロジーコンサルティング本部の長部亨IT戦略グループシニア・プリンシパル)。

加えて、これまでコンサルティング・サービスとして提供してきた、在庫管理やマーケティング支援、需要予測、保守サーポート支援といった業務ソリューションも、ACPに統合できるサービスとしても提供する計画だ。

パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを連携するハイブリッド・クラウドの実現に向けては現在、種々の手法やツールが提供されている。オンプレミスの既存システムとの連携についても同様だ。ACPでも、「パブリック・クラウド環境の集約については標準化が図れるが、ハイブリッド化などの課程では個別のシステム・インテグレーション(SI)も発生する」(テクノロジーコンサルティング本部の立花良範IT戦略・インフラグループ統括マネジング・ディレクター)。

ただ同社テクノロジーコンサルティング本部の白石昌靖インフラストラクチャコンサルティング グループ マネジング・ディレクターによれば、「ACPの内側には、各種のサービス集約やデータ連携のためのフレームワークが既に確立されている。そのフレームワークに沿って集約するため、一般的なSIのような個別対応にならない」という。

アクセンチュアはACPの発表と前後して、「Accenture Technology Vision 2013」を打ち出している。同ビジョンでは、「すべてのビジネスがデジタルに」を掲げ、顧客との関係から意思決定の速度、従業員の働き方まで、ビジネスのあり方が一新するとした。クラウドは、それを実行するプラットフォームの位置付だ。

そのクラウドをACPで集約する。アクセンチュアはACPの提供・強化に向けて、2015年までにグローバルで4億ドル強を投資する予定だ。データセンターなどの箱物へは投資せず、フレームワークの整備やそれを実現するための技術の取得、社員のトレーニングなどに振り向けるとしている。

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