建設・エンジニアリング大手の千代田化工建設が「SAP ERP 6.0」を導入した。導入を手がけたSAPジャパンが2013年9月26日に発表した。
千代田化工建設は、2010年後半より、ビジネスプロセスの見直しと、次期中期経営計画を支える新システム構築の検討を開始。複数ベンダーの提案を検討した結果、2011年7月にSAP ERPの導入を決めた。グローバルでの導入実績や、パートナー企業の層の厚さなどが決め手となった。
2011年8月より構築を開始。2013年4月より、本社とカタールの関連会社Chiyoda Almana Engineering LLCで運用を開始している。今後は、国内の主なグループ会社でも、2015年の稼働開始を目指して導入を進める。海外導入に向けて、3~6カ月の短期間でシステムを稼働させるためのテンプレートも作成する。
千代田化工建設は海外売上比率が7割を占める。エネルギー需要の構造変化、競争環境の激化、新興国の台頭などの変化に対応できるよう、プロジェクトマネジメント体制の強化や、業務のグローバル化なども図った。具体的には、プロジェクト管理システムや、各種IT運用ツールと、SAP ERPを統合できるよう機能拡張を施した。
また、「SAP BusinessObjects BI Platform 4.0」などの分析ツールも導入した。2013年から2016年までの中期経営計画で掲げる「データマネジメントインフラの整備と運用」の足がかりとする。今後、構築した基盤を活用し、データの業務活用を進めていく予定。