[調査・レポート]

破壊的テクノロジ、”スマートマシン”が到来する

2013年10月18日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

皆さんは、「スマートマシン」という言葉をご存じだろうか。自律的に行動し、学習を重ね、これまで人間しかできないと思われていた作業をこなす機械のことだ。遠い世界の出来事のように聞こえるかもしれないが、すでに現実のものとなりつつあるという。

秘書から専門家型、自律型まで様々なタイプが存在

 このような背景を説明した上で、トム・オースチン氏はスマートマシンを3タイプに分け、具体例を解説した。一つ目のタイプがMovers。自律走行車など移動するものだ。取り上げたのはグーグルなどの車と同時に、Boston Dynamicsが開発する「BigDog」、米軍が開発中の無人偵察機。X-47Bなど。軍用なので仕方ないが、ビデオを見る限りBigDogはかなり気味の悪い4足歩行ロボットである。

Boston Dynamicsが開発する「BigDog」

 

2番目のタイプはSages(賢者)。秘書的な役割の「仮想パーソナル・アシスタント」と、高度な専門知識を提供する「スマートアドバイザー」がある。前者の例として、同氏はまず1987年に米アップルが作成したビデオ「Knowledge Navigator」を取り上げ、90年代前半のPDA「Newton」を経て現在の音声認識/応答の「Siri」に至る流れを説明。

1987年に米アップルが作成したビデオ「Knowledge Navigator」

 

さらにマイクロソフトリサーチのエリック・ホルビッツ氏のプレゼンテーション、グーグルのKnowledgeGraphに言及した。「この仮想パーソナル・アシスタントは、40社以上のベンチャが何らかの開発を行っている」という。

エリック・ホルビッツ氏のプレゼンテーション

 

 前者が様々な要望に対応するアシスタントだとすれば、「後者のスマートアドバイザーはコンテンツの専門家である」。好例がIBMのWatsonだ。詳細はこちらの記事を読んでいただきたいが、例えば数億件以上の臨床データや医学文献を蓄積。患者の症状を入力すると、原因を確率付きで表示する。どんなに優秀な医者でも最新のすべてのデータや文献に目を通し、記憶して置くのは不可能だから、この面では人間を超える。

 オースチン氏は「スマートアドバイザーは短期的には最も価値が高く、WatsonのIBMのビジネスに占める割合も年々、大きくなるだろう」と指摘する。なおIBMはWatsonをCognitive System(認知/学習するシステム)と呼び、AIやスマートマシンとは呼んでいない。

スマートアドバイザーの派生系として、営業資料(数字データ)から報告書文章を生成するツールや(図2)、大学レベルの論文試験を自動採点するツールも、実験的だが登場している。後者はMOOC(大規模オープンオンラインコース)の有力事業者であるedXが、コース終了試験のために過去の大量の採点結果を使って開発しているものだ。

図2:データから文章を作成するスマート・マシンも
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