大和ハウス工業は、このほど国内のグループの人事システムを一元化した。構築を担当したNECとアビームコンサルティングが明らかにした。
グループの人材活用を強化する狙い。新システムには、グループ各社で個別管理していた採用情報(内定者)や、従業員情報(在籍者、退職者)を統合した。採用から配置、評価、育成まで一貫したタレントマネジメントを目指す。
例えば、採用時と現在で従業員の情報を比較して、採用基準の改善に役立てる。資格や特性、職務経歴などを集約し、従業員の配置計画を立てやすくする。教育計画の立案にも生かす。また、Webをベースとした従業員評価の仕組みを構築。評価プロセスの効率化や、従業員へのタイムリーなフィードバックも可能にした。
大和ハウス工業と、グループ15社で利用開始しており、2014年4月にはグループ会社11社への追加導入を決めている。最終的には、従業員約3万5000人を対象とする予定。「SAP HCM」の国内採用事例としては、有数の規模になるという。
新システムは、プライベートクラウドとして構築した。SAPの人事管理パッケージ「SAP HCM(Human Capital Management)」と、アビームコンサルティングのテンプレート「ABeam Template for HCM」を使用している。
プロジェクト管理には、TOC(制約理論)をベースとするプロジェクトマネジメント手法「CCPM(Critical Chain Project Management)」を用いた。工期と構築費用をそれぞれ25%程度削減できたとしている。
システムの一元化に合わせて、人事業務を集中処理するシェアードサービスセンターも設立。給与計算、社会保険事務などの定型業務を集約し、効率化と平準化を図った。