独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は2013年11月25日、施設内の人の流量や滞留状況を把握する実証実験を開始することを発表した。ビッグデータを利用して、災害発生時の避難誘導策を検証するのが目的。大阪駅を中心とする複合施設「大阪ステーションシティ」で実験を実施する。
大阪ステーションシティ内に約90台のカメラを設置し、施設内の通路や広場などの状況を把握できるようにする。人の流量や滞留度合いなどを時間ごとに集計し、一定の傾向を導き出す。
施設管理者などは、集計結果をもとに避難誘導路の設置や安全対策などを検討することができる。なお、実証実験は平成26年4月から約2年間実施し、収集した統計情報は施設管理者に還元する予定となっている。
映像データを施設内で加工することで、個人情報の流出に配慮する。取得した映像データは、個人を特定できない情報に変換するとともに、不可逆処理により変換後のデータから映像を復元できないようにする。データ変換後は、もとの映像データも消去する。
実験を通して有効性を確認できた技術は、大規模なデータ解析を必要とする分野などに展開する見込みとなっている。
図:実証実験の概要(出典:NICT)