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レノボがデータ志向のビジネス強化に向け分析基盤を一新、クラウドを積極活用

2014年4月2日(水)IT Leaders編集部

PC製造大手の聯想集団(レノボ)は、非構造化データも対象とした分析基盤をAmazon Web Services(AWS)のクラウド上に構築。すでに運用を開始している。2014年3月24日、分析ソフトの提供で製品開発元である米SAS Instituteが発表した。

レノボは従来から、販売実績などの分析に注力。法人向け事業を例に採れば、製造や小売り、スーパー、銀行といった業界別に分析モデルや手法を導き出し、顧客満足度の向上につなげてきた。もっとも、対象としていたデータは基幹システムに蓄積しているトランザクションデータが中心であり、できることの限界も感じていた。

その同社が、ビッグデータ分析に乗り出した。ソーシャルメディアやインターネット上のフォーラム、コールセンター記録、オンラインチャットといったデータ、いわゆる非構造化データを収集。販売実績などの構造化データと合わせて分類、モデル化する取り組みだ。顧客満足度のさらなる向上や、ブランド力の強化が目的である。

こうした取り組みに際して同社は、パブリッククラウドの積極的な利用を決断した。これまでは、分析プロジェクトごとにハードウェアやソフトウェアといったリソースを用意。このため、過去にない思い切った分析仮説を立てたとしても、実際に実行しにくい側面があった。リソース調達や導入に時間とコストがかかり、失敗したときのリスクが大きいからだ。

しかし、なかば定型化した分析ばかり実施していては、ある一定の成果は見込めても、革新的なブレークスルーを生み出せない。特に、ソーシャルメディアのような新しいコミュニケーション空間から得られる膨大なデータをどう分析すべきかには、まだ定石がない。それだけに、様々な試行錯誤を繰り返す必要がある。

そこで、ビッグデータ分析基盤をパブリッククラウド環境で運用することを決めた。パブリッククラウドであれば、システム構築に伴う初期投資や調達・導入作業が不要だ。プロジェクトごとに機能を追加・変更することにも容易に対処できる。プライベートクラウドという選択肢もあるが、あらかじめプールしておくべきリソース量が読みにくいことを含め、パブリックの方がトータルな投資効果で魅力的に映った。

パブリッククラウドが保有する潤沢な計算資源を利用することにより、分析処理を迅速に実行できる。このため、プロジェクトが成果を出せなかった場合の経済的・時間的損失を最小限に抑えられ、革新的な分析に挑戦しやすくなる。

パブリッククラウドには、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を選択した。米SAS Institute製の分析ソフトを、プロジェクトごとに必要に応じてサービスとして利用する。

プロジェクトの概要
ユーザー名 聯想集団(Lenovo)
業種 PCメーカー
導入システム ビッグデータ分析基盤
導入目的 顧客満足度の向上、ブランド力の強化
導入時期
主な利用製品・サービス 「Amazon Web Services」(クラウド基盤)、「SAS Visual Analytics」「SAS Enterprise Miner」「SAS Text Analytics」、「SAS Sentiment Analysis」など(分析ソフト)
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