[海外動向]

米ネットスイートが年次イベントを開催、基調講演で“シングルDB”の優位性を強調

2014年5月16日(金)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

米ネットスイートは2014年5月12日、年次イベント「SuiteWorld 2014」を開催した。今年は昨年の来場者数5000人を上回る6500人が参加。今後のクラウドERPの動向を探ろうと多くのユーザーがつめかけた。ここでは基調講演の内容を紹介する。

写真1:米ネットスイート CEO ザック・ネルソン氏写真1:米ネットスイート CEO ザック・ネルソン氏

 基調講演にはCEOのザック・ネルソン氏が登壇。昨今の、クラウドERPに対するニーズの高まりを繰り返し強調した。

 「ERPシステムをクラウド経由で利用することに否定的な意見が多かった従来の状況は大きく変わっている。海外拠点の新規展開に素早く応えられる、事業部門ごとに個別最適化しがちなシステムを統制をもって一元化しやすい、といったクラウドのメリットがあらためて認識されるようになったからだ。ビジネスの俊敏性がさらに求められる中、クラウドERPへの追い風は強まる一方だ」。

 その言葉を裏付ける意味で、同社の堅調ぶりを示すデータも用意。2014年の売上(見込み)は5億4400万ドルで、2012年の3億808万ドルと比べて76.6%増となる。米国におけるERPシステムのマーケットシェアの成長率は41.67%で、「成長率が一桁台、もしくはマイナスにとどまる競合他社を大きく引き離している」(ネルソン氏)という。顧客は2万社を超え、順調に増えている。

 同氏は、ディー・エヌ・エーなど日本でも本格利用に踏み切るユーザーが出てきていることに言及。ディー・エヌ・エーの場合、10カ国の拠点で会計と人事を利用しており、グループ会社を含めた2000人以上の従業員情報をクラウド上で一元管理する体制を整えているという。

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