名古屋市立大学病院は、院内のネットワーク基盤をSDN技術を活用して刷新した。製品を導入したNECが2014年5月29日に発表した。
サーバーやデスクトップの仮想化、SOAによるシステム構築にいち早く取り組んできた同院にとって、旧態依然としたネットワーク環境は頭の痛い問題だった。
これまで、使用する医療機器の専門性やセキュリティの観点から、診療部門やシステムごとに個別のネットワーク環境を構築・運用してきた。その結果、ネットワーク構成が複雑化。調査や設定変更など、最新の医療機器やシステムを追加する際に発生する作業が膨れ上がっていた。
高度先進医療を推進していくには、医療技術の進歩にいち早く追従できるネットワーク作りが不可欠。同院はそう判断し、OpenFlow技術を用いたSDNへの移行に踏み切った。
院内に乱立していたネットワークを物理的に統合したうえで、電子カルテや医療機器、スマートフォンといった目的別の論理ネットワークに分割した。物理/論理ネットワークを一元的に管理・制御可能であるため、機器やシステムを追加する際の設定変更が容易になったという。加えて、システムごとにデータのセキュリティを確保できる。
省スペース化も実現した。40台以上の従来型スイッチで実施していたルーティング機能を8台のOpenFlow対応スイッチに集約したことにより、設置面積を65%削減できたという。
新ネットワークの構築と合わせて、無線LANに対応した生体情報モニターを導入。スマートフォンを使って撮影した写真を、電子カルテに即座に登録するためのシステムも稼働させた。
| 【プロジェクトの概要】 | |
| ユーザー名 | 名古屋市立大学病院 |
| 業種 | 医療機関 |
| 導入システム | SDN |
| 導入目的 | ネットワークの柔軟性・運用性の向上、セキュリティの確保 |
| 導入時期 | ─ |
| 主な利用製品 | 「UNIVERGE PFシリーズ」(NEC) |
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