ITの巧みな利活用に向けて、日頃から様々な活動をしているが、残念なのはユーザー企業の姿勢が消極的なことだ。その背景を考えてみる。
筆者は社会貢献の一環として、情報システムに関わるいくつかの活動をしており、それらを通じて痛感していることがある。情報システムを活用してビジネスを行う、いわゆるユーザー企業が、こういった社会貢献的な活動に極めて消極的だということである。
活動の一つに、理事を務める日本データマネジメント・コンソーシアムがある。データマネジメントというと地味に聞こえるが、情報システムの本質であるデータの管理や利活用をどう進めるかを技術や事例など含めて研究・啓蒙する団体だ。ベンダー企業は有料、ユーザー企業は無料という仕組みであるにも関わらず、ボランティアで熱心に活動を支える人の多くは、ベンダー企業から参加されている人々である。
もう一つ、筆者が理事長を務める特定非営利活動法人、システムイニシアティブ協会もある。経営に役立つ情報システムを創り活用するために、情報システムのオーナーであり利活用の当事者であるユーザー企業の主体性を促す活動をしている。立ち上げ時はスポンサー企業のお世話になり、任意団体として無料で事例セミナーを提供していた。
その後NPO法人としての体制を整え、ユーザー企業、ベンダー企業を分かたず、法人正会員と個人正会員とセミナー参加の個人準会員の会費で運営を賄っていく仕組みにした。年会費10万円を負担してもらっている法人正会員の90%以上はベンダー企業である。おそらくユーザー企業ではこの会費の社内稟議が通らないのだろう。そればかりかユーザー企業からの参加は企業内の眼が厳しいらしく、毎回自己負担で遠方から参加して下さるユーザー会員もいる。これらの現実に、「知」に投資をしないユーザー企業の体質を見る思いがするのだ。
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