日本IBMは2014年11月28日、顧客一人ひとりに合わせたリアルタイムなエンゲージメントを可能にするSaaS型マーケティングオートメーションソリューション「IBM Silverpop Engage」の提供を開始した。同サービスは、2014年4月に米IBMがクラウドマーケティングツール専業の米シルバーポップを買収して得た技術・製品が基になっている。
スマートフォンやソーシャルメディアの普及などで顧客接点の多様化が進む中、企業のマーケティング部門は、顧客一人ひとりに適した関わり方(エンゲージメント)が求められている。そうした“個客”ごとに最適なカスタマーエクスペリエンスを提供するためには、ITを駆使してさまざまなチャネルから取り入れた情報をルールに基づいて処理し、施策を自動化する仕組み作りが重要となっている。
IBM Silverpop Engageは、多様化かつ複雑化する顧客接点において、顧客一人ひとりとの適切なエンゲージメントを可能にするSaaS型のクラウドサービスである。同サービスは、主にリードナーチャリング(見込み客育成)管理とマーケティング業務の自動化により、企業のデジタルマーケティング施策を支援するSaaSである。
リードナーチャリング管理では、施策別の購入実績、電子メールの開封、Webサイトのクリックなどの顧客行動で施策を評価し、リードのスコアリングとナーチャリングを行う。また、マーケティング業務の自動化では、顧客毎にカスタマイズしたメールの大量配信が可能なメールマーケティングをはじめ、顧客の行動に基づきパーソナライズしたコミュニケーションをオムニチャネルで実現する。
日本IBMは、IBM Silverpop Engageでは、マーケティングオートメーション、コンテンツ管理、ソーシャルメディア連携、顧客分析といったデジタルマーケティング関連機能が、リード管理/ナーチャリング機能と統合され、拡張も可能であると説明。これにより、B2Cマーケティングだけでなく、B2Bマーケティングにおけるキャンペーンの企画から各顧客に対する効果の測定まで一貫して行うことができるとしている。また、同サービスは、営業・販売部門とマーケティング部門が見込み顧客リストを共有してアプローチを行うような、効率的なマーケティングキャンペーンの実行も支援するという。
IBM Silverpop Engageの利用にあたっては、初期費用200万円、月額25万円(税別)が必要になる。なお同社が挙げる、IBM Silverpop Engageの主な特徴は次のとおりとなっている。
・顧客の属性情報やメール、Webサイト、ソーシャルメディアにおける行動情報の蓄積
・API接続によるコールログや店頭来店、イベントでのコンタクトなどオフラインデータの取り込み
・技術的な知識をほとんど必要としない直感的なユーザーインタフェースから、「カスタマージャーニー」と行動情報に基づいた自動化マーケティング施策の設定
・メールコンテンツのパーソナライゼーション
・「カスタマージャーニー」に沿ったシナリオ配信のキャンペーン管理
・ランディングページコンテンツのパーソナライゼーション
・配信時間のパーソナライゼーション
・施策のマーケティングROIを分析評価
・B2CおよびB2Bのターゲットユーザーを効率的に抽出し、スコアを付けて評価
拡大画像表示