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Pivotalジャパンがビッグデータ関連製品をスイート化、アジャイル開発支援拠点も国内開設へ

2015年3月12日(木)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

PaaS(Platform as a Service)構築用ソフトなどを開発・販売する米Pivotalの日本法人は2015年3月12日、ビッグデータ分析環境を構築・運用するための製品群をまとめスイート製品として販売すると発表した。PaaS構築用ソフトウェア「Pivotal Cloud Foundry」の一部機能も同梱し、ビッグデータ関連アプリケーションをテコに、企業のPaaS基盤の立ち上げも期待する。アジャイル開発への取り組みを支援する「Pivotal Labs」の東京拠点を2015年第3四半期(7〜9月)には開設することも明らかにした。

 スイート製品の「Pivotal Big Data Suite」は、Pivotalのビッグデータ分析用ソフト群を組み合わせたもの。データの収集から分析、次世代アプリケーションの支援ツールに加え、PaaS(Platform as a Service)構築用ソフトである「Cloud Foundry(CF)」の一部機能も含む(図)。

図:Pivotal Big Data Suiteのソフトウェア構成図:Pivotal Big Data Suiteのソフトウェア構成(出所:Pivotalジャパン)
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 収集・分析基盤となるのは、Hadoopディストリビューションの「Pivotal HD」とデータ採集やバッチ処理を担う「Spring XD」、インメモリー処理用の「Spark」。分析基盤は、大規模並列処理データウェアハウスの「Pivotal Greenplum Database」、Hadoop上でのSQL処理を可能にする「Pivotal HAWQ」である。さらに次世代アプリケーションを実現するための基盤として、リアルタイム処理のための「Pivotal GemFire」と、インメモリーデータストアの「Redis」、メッセージング処理の「RabbitMQ」を提供する。

 PaaS基盤のCFを含み、上記ソフトのうち、HDとHAWQ、Redis、RabbitMQ、およびSpring XDのベータ版をCloud Foundry上で動作させられる。

 これらソフト群のうち、Greenplum Database、HAWQ、GemFireについては、HDやCF同様に、オープンソース化を図ることを決めている。オープンソースコミュニティのエコシステムの開発力や、米国の利用企業がオープンソースを前提にソフトウェアを選択肢始めていることが背景にあるという。

 Pivotalジャパンの正井拓己カントリー・マネージャーによれば、同社の日本での事業は「2014年に前年比30%以上延び、うち半数がビッグデータ関連だった」。Pivotal Big Data Suiteの投入で、ビッグデータ関連プロジェクトへの取り組みを強化すると同時に、CFを同梱したことでPaaSビジネスにも拍車を掛けたい考え。

 Pivotal CFは、PaaS構築用のソフトウェアで、同社自身がクラウドサービスとして提供していないことから、アプリケーションの開発・実行環境としてのメリットが利用企業に伝わりにくい側面がある。同梱により、ビッグデータ分析アプリケーションの開発・運用の過程で、PaaS上でのアジャイル開発やDevOps(開発と運用の融合)を実体験してほしいとの期待がある。

 利用企業のアジャイル開発やDevOpsの活性化に向けては、北米で展開している組織「Pivotal Labs」の日本拠点を2015年第3四半期(7〜9月)には東京に開設する。

 Pivotal Labsのノウハウをベースにしたアジャイル開発組織は、2014年12月に東芝ソリューションが「アジャイル開発センター」を開設している。同社は、2014年1月からPivotal Labsと共同で取り組んだ自社システムなどをアジャイルで開発した。

 ただ東芝ソリューションのアジャイル開発センターは、同社顧客向けサービスが基本。Pivotal が開設するPivotal Labsでは、より広範囲な顧客層に向けてサービスを提供する計画である。

 Pivotal Big Data Suiteは、コア数ベースのサブスクリプションモデルで提供される。料金は個別見積もりになる。

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