アクセンチュアは2015年4月8日、IT分野の重要なトレンドについてまとめた年次レポート「Technology Vision 2015」の説明会を開催した。最新となる2015年版レポートでは「デジタルビジネスの中で業界の垣根を越えたパートナーシップを結び、“We Economy”で成功を収める時代だ」との提言がなされた。
トレンドを前に、今、企業が取り組むべきこと
では、これらの新たなトレンドを前にして、企業のCIO/ITリーダーは今、何をすべきなのか。アクセンチュア デジタル コンサルティング本部 マネジング・ディレクターの立花良範氏(写真4)は、各トレンドに対してなすべきアクションを説明した。
The Internet of Meでは、「インターネットを通じて顧客とさまざまな接点を持つことで、顧客のマインドが理解でき、パーソナライズされた個客体験が提供できるようになる。かぎりなくカスタマイズされた世界を実現するために、企業は今こそデジタルマーケティングに本気で取り組むべきだ」と立花氏。
Outcome Economyでは、「顧客が本当に求めているものが何なのか、デジタル化を進めることで見極め、顧客目線で提供できる成果が何なのかを考える。こうして成果ベースのビジネスへと移行していくべきだ」(同氏)
Platform (R)evolutionについては、「1社では実現不可能だ」と立花氏。そこでは、「プラットフォームを自ら構築するリーダーとなるか、コアメンバーとしてプラットフォームに貢献するパートナーとなるか、利用者としてプラットフォームにかかわる参加者となるか、自社の役割を定義し、エコシステムを構築すべきだ」(同氏)という。
Intelligent Enterpriseになるには、まず労働集約的なプロセスや、手動アップデートなどが必要なアプリケーションにソフトウェアインテリジェンスを導入するところからスタートし、「その上で、1年以内に機械学習の導入やトレーニングプログラムを作成するなどの取り組みを進めるべきだ」としている。
Workforce Reimaginedについては、「機械との協業がこれからの日本の追い風になる」と立花氏は指摘し、今後、少子高齢化が進んで匠が引退するといったような状況に対応していくにあたり、次のような提言を行った。「製造業の復活に向け、企業は機械との協業を前提とした製品やサービスを投入し、ジェネラリストから協業の専門家へとシフトして労働力不足を補うべきだ。また、生産性を向上させるためにも協業を前提とした人事を再考すべきだ」