これまでに、企業が無線LANで失敗しないための条件として、無線LANの基本と課題を解説しました。3つ目の条件は、企業向け無線LAN機器が備える付加価値が高い機能を十分に活用することです。そのための方法を解説します。
無線LAN機器は、無線LANの基本機能に加え、種々の付加価値を備えています。企業が無線LANを活用するためには、これらの付加価値を最大限利用する必要があります。具体的には、無線LANコントローラーと、今後の主流となる802.11ac製品の活用です。
一括設定/一括管理を可能にする無線LANコントローラー
企業の無線LANネットワークにおいて、導入が一般的になっているのが無線LANコントローラー(以下コントローラー)です。コントローラーは、社内に設置されたアクセスポイント(AP:Access Point)の一括設定や統合管理、統合運用を可能にする機器です。以前は、「導入するAPが20台を超えるようならコントローラーの導入を検討すべき」とされていました。近年は小規模向け製品や仮想化された製品もあるため、APが数台規模でもコントローラーの導入が検討対象になります。
コントローラーは多くの機能を持っています。中でも有用なのが、一括設定と無線環境の管理です。コントローラーで設定した内容は、社内に配置された各APへ自動で反映されます。動的な設定変更も同様に、運用中であっても管理者が実施した設定変更は直ちに各APへ反映されます。設定を集中的に行うことで、入力ミスや設定漏れを防ぐと共に、設定を一括してバックアップできます。
一括管理では、無線LANネットワーク全体を通して、APの負荷分散や、5GHz帯の優先利用、接続されているクライアントの管理や情報収集、APに接続している無線LANクライアント数の分布状況なども可能になります。無線LANネットワーク全体の情報を把握できれば、セキュリティ対策や拡張計画の検討も容易になります。
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