キヤノンと富士通は2015年10月23日、ネットワークカメラを活用した新たな映像ソリューションを共同開発すると発表した。キヤノンが持つ映像の高画質化技術や解析技術と、富士通が持つサービス基盤を組み合わせる。流通業や公共・観光業を対象にネットワークカメラを使う種々のソリューションの提供を目指す。
キヤノンと富士通の共同開発では、キヤノンが開発を進めているネットワークカメラの映像を高画質化する技術や、年齢や性別、人の動線などを分析する映像解析技術と、富士通が持つクラウド基盤を連携させる。具体的案には、情報利活用ビジネス基盤の「FUJITSU Retail Solution CHANNEL Value(チャネルバリュー)」と、位置情報サービスの「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)」である。
開発の成果は、富士通のクラウドプラットフォームである「FUJITSU Cloud Service」から提供するのを目標に、2016年中の実用化を図る。
例えば、流通業向けには、ネットワークカメラで撮影した店舗内の映像から、来店者の性別・年齢層・動線や、店内の混雑、滞留状況などの情報を分析するサービスを想定する。チャネルバリューを使って分析し、適切な売場の配置や、来店者層に合わせた販売促進活動などを提案し、店舗づくりを支援する。
公共向けには、自治体や観光施設の活性化を図るサービスを考える。観光地に設置するネットワークカメラとスペーシオウルを組み合わせることで、観光客の人数や動線、混雑度などを把握する。観光地の高画質なライブ映像や静止画像の提供といったサービスも提案する。