来たるべきデジタル時代に生き残るための対応力で、日本はアジアの主要10カ中で最下位−−。こんな調査結果を先頃、シンガポールの調査会社TRPCが公表した。だが、同調査を支援した米CA Technologiesは、レガシーなシステムが多い日本にも必ず対抗策を打てるという。インターネットや携帯電話のネットワークでは世界最先端とも評される日本がなぜ最下位なのか、どんな対策が打てるのかなど、調査結果に基づいて、これからの重要テクノロジーなどが議論されたCAのAPJ(アジア・パシフィック&ジャパン)地域のメディア&アナリストサミット2016から報告する。
調査会社TRPCが公表したのは、『アジア・パシフィック&ジャパン(APJ)地域のApplication Economy Index 2016』。スマートフォンに代表される消費者が持つデバイスに対しアプリケーションによって各種サービスを提供することで、顧客接点を強固にしビジネスを成長させる「アプリケーションエコノミー」あるいはデジタルイノベーションへの対応力について、APJ地域の主要10カ国を対象に調査した。アプリケーションエコノミーへの対応の必要性を訴える米CA Technologiesが調査を支援している。
調査結果は大きく、現状の評価と将来性とに分かれている。現状評価については、インターネットやスマートフォン、カード決済などインフラの整備状況のほか、政府の技術活用度や知財保護の程度、事業設立に要する時間など10項目を集計している。その結果では日本は4位(図1)。トップはシンガポールで、オーストラリア、韓国が続く。5位の香港までが、「ディスラプター(創造的破壊者)」に位置付けられている。
図1:デジタルイノベーションへの対応力で日本は現状4位(出所:『アジア・パシフィック&ジャパン(APJ)地域のApplication Economy Index 2016』、TRPC/米CA Technologies)拡大画像表示
10項目において日本の評価は概ね2位か3位。インターネット普及率では1位だ。しかし、事業設立に要する時間は6位、スマートフォンの普及率では8位にまで下がる。インターネット環境は素晴らしいが、ビジネスの俊敏性(アジリティ)に欠け、アプリケーションエコノミーの核となるアプリケーションソフトの動作環境としてのスマートフォンは普及していないという評価である。
同調査を指揮したTRPCのLim May-Ann(林美安)マネージングディレクターは、「日本ではまだまだ“ガラケー”の利用率が高く、差異化要因であるアプリケーションの利用範囲が限られる。政府による技術活用においても、シンガポールや韓国などが国家戦略に位置付けているのに対し、日本の施策は弱い。インターネットをどう活用していくかの政策が必要だ」と指摘する。
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