富士通は2016年5月16日、モバイル活用や仮想デスクトップ(VDI)活用を支援するためのサービス2種を発表した。自社グループ8万人が利用するVDI基盤で利用している仕組みを外販する。自社での運用経験などを元に機能強化を続けるという。
追加したのは、モバイル環境からの印刷を容易にする「FUJITSU Cloud Service Print Anywhere」と、同社が提供する仮想デスクトップ(VDI)環境提供サービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス V-DaaS」のセキュリティ強化オプションの2サービス。
Print Anywhereは、利用者が出力先を意識せずに、社内外にあるどの複合機からでも印刷できるようにするサービスだ。複合機のメーカーや機種ごとに異なるプリンタドライバーを、富士通が開発した仮想プリンタドライバーに集約することで実現する。利用者は仮想プリンタに印刷を指示し、最寄りの複合機で個人を認証することで、その場で印刷物を入手できる。
出張先のオフィスでも印刷できるため、紙の資料を持ち歩くことによる紛失のリスクを削減できる。全複合機の使用状況を一元管理することで、複合機の配置を見直したりコストの削減も図ったりが可能になる。仮想デスクトップ基盤と併用すれば、システム部門は利用者ごとに異なる印刷環境を統一して運用効率を高められる。
V-DaaSのセキュリティオプションは、ログイン時に同社の手のひら静脈認証技術を利用可能にするもの。想デスクトップの利用における、なりすましの防止や利用者のパスワード管理に伴う負荷の軽減などを図れる。
サービスの利用料金は、Print Anywhereは、20 ID、対象プリンタ10台の場合で初期費用が11万円(税別、以下同様)、月額費用が9万円から。V-DaaSの基本サービスと手のひら静脈認証ログオンオプションは、60 IDの場合で初期費用が54万円、月額費用が23万4000円から。Print Anywhereは2016年10月から、V-DaaSは2016年7月から提供する。