米PTCの日本法人は2016年5月20日、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤「ThingWorx」の最新版である「同7」を米PTCがリリースしたと発表した。アナリティクス機能を向上し、パブリッククラウドに対応したほか、より簡潔にしたコンポーネントなどを提供する。
「ThingWorx」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)に特化した統合開発ツール/機能群だ。「同7」では、企業がIoTを活用した製品/サービスを展開するにあたって必要となる、システムの検証や開発、データのハンドリングを効率化するための機能強化を図った。
ThingWorx Utilities(旧ThingWorx Converge)は、IoTのデータを管理/監視/抽出する機能群を提供する。企業がインテリジェントデバイスを展開する際の手続きを一元的に管理すると共に、それぞれの状態を監視し可視化するカスタムダッシュボードを構築できる。また、特定の条件下で発せられるアラートを把握するためのイイタフェースをカスタマイズすることができ、デバイスが想定通りに機能していない場合の原因特定などに活かせる。
そのほか、リモートアクセスによるデバイス管理/制御や、デバイス側に備わるOS/ファームウェア/アプリケーションなどを一括コントロールするための機能も強化したのが新版の特徴である。
クラウド連携の自由度も高めた。PTCは、主要なパブリッククラウドサービスと連携することを発表しており、すでにAWS(Amazon Web Services)IoTとの連携を開始している。これにより、AWSのデバイスクラウドサービスを利用したコネクティッドデバイスとのデータ送受信やデバイスのプロビジョニングを、直接ThingWorxから実行できる。ほかのデバイスクラウドとの連携も予定しており、ユーザーが利用するクラウドプロバイダーと適切なコンポーネントを組み合わせ可能になる。
デバイスから収集するデータを、ビジネスシーンで活用しやすい形に変換するためのThingWorx Analyticsも強化。高度な分析や予測、レコメンデーションなどをモデルベースで実現することができる。
開発者向けの改善では、EclipseやGitなどの好みの開発ツールやソースコード管理ツールを使用して、IoTシステムの試作や実験を迅速に行える環境を構築できるようにした。