日産自動車は2016年5月20日、同社とSCSKが共同で開発したコールセンター業務支援ソフト技術に関して、日産が所有するノウハウのライセンスをSCSKに供与すると発表した。
日産とSCSKが共同開発したコールセンター業務支援ソフト技術は、「お客さま相談室」などコールセンターに集まる顧客の声を分析可能にするものだ。
電話での顧客との会話を音声認識を使ってテキストデータに出力したうえで、あらかじめ作成したトピックカテゴリに従って会話要点を特定し、リアルタイムに解析できる。メールなどでの問合せも、数百件のデータを数分以内に解析可能になる。
通話をしている最中から、どういった商品の品質やサービスに関する問合せであるかが即座に分析可能になり、社内の関係部署に速やかにフィードバックできるようになる。顧客の感情表現を分析する機能も有しており、オペレーターの応対を自動的に評価できるため、応対品質の向上にも活用できる。
日産ではすでに、顧客や販売会社から得られる生の声を分析し製品の品質向上に活用する「トータルカスタマーサティスファクション本部」が同技術を試験的に活用しているという。
同社は自社で開発した技術やノウハウなどをライセンス供与することにより、技術の発展を支援するほか、無形資産の有効活用によって得られる収入を新たな技術開発に投資することで、自社の技術開発を向上していくとしている。