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ビズリーチが人事クラウド分野に参入―第一弾は採用管理

2016年6月14日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

ビズリーチは2016年6月14日、採用管理クラウドサービスをリリースした。同社が新たに打ち出した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」の第一弾サービスとして提供される。

 ビズリーチは、テレビCMでお馴染みの人材サービス会社といったイメージが強い。だが、実際には人材データベースの運用管理会社と呼んだ方が正しいようだ。

 ビジネスの中心に据えているのが、66万人の人材が登録しているデータベース。就職先を求める人は、このデータベースに自分を登録し、人材を求める企業はこのデータベースから自社のニーズに合った人材を探し出す。ビズリーチが提供しているのはデータベースと、それを利用するためのインターフェース。あとは利用者が能動的にデータベースを活用している。

 そのビズリーチが新たに始めたのが、人事関連の様々な業務を効率化するバックヤードの業務クラウドサービスだ。これを同社は、戦略人事クラウド「HRMOS」と呼んでいる。その第一弾として提供するのが「HRMOS採用管理」となる。

 HRMOS採用管理が提供するのは、求人作成や進捗管理、リファーラル採用を効率化する機能など。社員による紹介制度であるリファーラル採用も含む、ダイレクト・リクルーティングを促進するほか、「採用したいけど、今回はご縁がなかった」といった人材の中期的なフォローも支援するという。

 人材データベースの「ビズリーチ」や、外部の求人サイトとのAPI連携も検討しており、求人から採用まで一括管理できるようになる。

 HRMOSは今後、新たなモジュールを開発していく予定で、2016年秋には勤怠管理、2017年春には評価管理のモジュールをリリースすることを発表している。

 このようにモジュールが増えていくと、HRMOSには、様々な角度からの人事情報が蓄積されていくことになる。将来的に、これらの情報を有効活用することを視野に置き、ビズリーチはHRMOSに人工知能(AI)を搭載した。

 採用管理モジュール単独の状態では、人工知能の出番はない。しかし、今後リリースされる様々なモジュールのデータを連動させる際には、人工知能による分析、判断が行えるようにしたいと考えている。そこで、初期段階から人工知能を搭載して、学習させることにしたという。

 勤怠管理や評価管理、タレントマネジメントなどのモジュールが出揃えば、いずれは人工知能が人事考課を行う日が来るかもしれない。

 HRMOS開発にあたっては、セールスフォース・ドットコムの投資部門であるSalesforce Venturesとヤフージャパン傘下のYJキャピタルの2社から融資を受けている。加えて、セールスフォース・ドットコムと業務提携を行っており、将来的にはセールスフォースCRMとの連携サービスも実現する見通しだ。

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