iPhoneやAndroid搭載スマートフォンの登場ですっかり影が薄くなった感のある「BlackBerry」だが、2016年7月26日、日本で本格的なモバイルセキュリティソリューションを展開していくことを発表した。端末事業とは別に、マルチデバイス・マルチOSの包括的ソリューションで臨む。
カナダのResearch In Motion(RIM)が1999年に発売したBlackBerryは、高機能ページャ(ポケベル)からPDA(Personal Digital Assistant)を経て、2005年前後には液晶画面の下部にキーボードを配した独特のフォルムを持つ初期スマートフォンとして、欧米のビジネスマンを中心に爆発的に普及した。
日本ではNTTドコモが販売し、「黒船来襲か」と一時話題になったものの、「企業導入必須」のサーバー製品だったことも災いして、普及には至らなかった。しかし当時、外資系企業の日本法人に、本社の意向でBlackBerryを使っている役員が多かったこともあり、「欧米エグゼクティブ必携のアイテム」としてもてはやされていた。
BalckBerryは、iPhoneの登場以降、急速にシェアを落としたが、現在でも端末の生産は続けている。社名をRIMからBlackBerryに変更し、2017年の生産中止が決まっているものの、初期モデルを踏襲したものが「クラシック」として現在でも販売されている。
そのBlackBerryが端末以上に注力しているのが、ソフトウェア分野だ。北アジア担当バイス・プレジデントのTed Tudor氏によると「端末とは分離させて、マルチデバイス、マルチOSのモバイルセキュリティソリューションとして提供している」という。同分野に注力することを決めたBlackBerryは、2014年から2015年にかけて立て続けに5社のモバイルセキュリティ関連企業を買収している。
買収した企業のアーキテクチャーを含むBlackBerryのセキュリティ製品は、「Enterprise Mobility Management」「Communication and Collaboration」「Internet of Things」「Identity and Access」4つのコンポーネントからなるソフトウェアプラットフォームとして体系化されている(図)。
(図)BlackBerryのソフトウェアプラットフォーム拡大画像表示
最初の「Enterprise Mobility Management」は、BlackBerryの伝統的なモバイルデバイス管理(MDM)ソフトの最新版である「BES 12」と、2015年10月に買収したGood Technologyのモバイルアプリケーション管理(MAM)ソフト「Good」で構成されている。
Goodは、許可されたアプリをコンテナで管理するMAMソフトだ。ひとつのスマートフォンを個人用と企業用に領域別けすることができる。Goodで管理されたアプリは暗号化され、管理されたアプリ同士はセキュアに連携できるが、管理外のアプリからはアクセスできないようになっている。
アプリのデータはスマートフォン上に保存されるため、例えばメールの場合、オフライン状態でもメール本文や添付ファイルを閲覧できる。Goodは積極的にサードパーティーにSDKを配布してきたため、現在1300ものアプリがGoodのフレームワークでサポートされている。
次の「Communication and Collaboration」には、2015年4月に買収したWatchDoxのファイル共有ソリューション「WatchDox」がラインナップされている。WatcDoxは、ファイル共有ストレージサービスの「DropBox」をエンタープライズ向けに特化させたようなサービスで、セキュリティ性に優れている。
WatchDoxの特徴は、企業内データをきめ細やかに管理できるところにある。いつ、どこで、だれが、どのような操作を行ったかをデータ、ファイルごとに追跡できるほか、編集・コピー・印刷の制御やダウンロード制限、決められた期日での自動削除なども設定できる。
このコンポーネントには、2015年7月に買収したAtHocの緊急通信システム「AtHoc」も含まれる。緊急時の情報収集、デバイスへの緊急通知、位置情報の把握といった緊急通信システムの基本機能を提供するほか、双方向コミュニケーションも可能にしたセキュアプラットフォームとなっている。
そのほか、「Internet of Things」では組込みシステムの「GNX」を、「Identity and Access」ではID管理やPKI、生体認証などの機能を提供する。国内では、前2つのコンポーネントを中心にソフトウェア戦略を進めていく考えだ。
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