IDC Japanの調査によると、すでにIoT(Internet of Things)を導入している国内企業は5.4%で2015年の調査を0.5ポイント上回った。同社が2016年9月13日に発表した「国内IoT市場 企業ユーザー動向調査結果」で明らかにされた。
調査は2016年5月から7月にかけて、全国の従業員100名以上の企業を対象に行われた。回答があった4,517社のうちIoT利用企業は245社で、利用率は5.4%となった。2015年調査の4.9%を0.5%上回った(図)。
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業界別では、製造業が8.5%でもっとも高かった。IDCによるとこれは、組立製造やプロセス製造を中心としたさまざまな組込み機器が、古くからIoTとして活用されていることが関係しているという。それ以外では、流通・サービスが3.2%、金融が3.5%と続いている。
利用用途は、自社内の業務効率化やコスト削減を目的とした「社内用途」が8割以上を占めているものの、顧客へのサービス付加価値向上や新ビジネスの創出などの「社外用途」も徐々に広がりつつあるとしている。
また、IoTの導入/運用窓口については、事業部門が約46%で、IT部門の約32%を大きく上回った。IDCでは、事業部門が主体となってIoTビジネスを加速するのに伴い、各産業分野に強みを持つ非IT事業者と企業の事業部門が連携して、新たなIoTのユースケースを創出するようなケースが増加するとみている。