RPA(Robotics Process Atomation)―2016年の半ばあたりからよく耳にするようになった、IT業界でもっともホットなキーワードのひとつだ。日本でも普及の予兆を見せているが、人材面での不安を指摘する向きもある。ITコンサルティング会社のビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(BTC)は、RPAの導入支援とともに、RPA技術者にスポットを当てたサービスを開始している。BTCで新規事業であるRPAの牽引役を務める内海利次取締役に、RPAの現状と同社のRPAビジネスを聞いた。
RPA技術者は足りているのか
RPAは、ソフトウェアロボットとも呼ばれ、工場で活躍する産業用のハードウェアロボット同様、ホワイトカラーの現場で人の作業を代行するものだ。欧米の大手ITコンサルティング会社はいずれもRPAの導入サービスを手掛けており、現在日本でも多くのコンサルティング会社がRPA導入サービスを提供開始している。
ところで、RPAを導入するには、どのような技術ノウハウが必要となるのか。既存技術者の転用が可能なのか、あるいは特殊な技術を身に付ける必要があるのか。せっかく新たなシステムを導入しようとしているのに、対応する技術者が足りないので導入が進まないといった懸念はないのだろうか。
ビジネスの新たな柱としてRPAを据えたことを2016年3月9日に発表したITコンサルティング会社のビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(BTC)は、2つのRPA関連サービスを提供するとしている。
一つ目がRPAの導入診断から開発、運用・保守までを行う「RPAインテグレーション」。もうひとつがRPA技術者を派遣する「BTCエージェントfor RPA」だ。RPAに特化したアーキテクトおよびエンジニアを供給するという、人材面に重点を置いたRPAサービスとなっており、これがRPA人材の不安に対する回答となっている。
BTCは、ウェブやECサイトをカスタムで開発するSIとデジタルマーケティング、エンジニア派遣の3本柱で成長してきた企業だ。そのBTCがRPAに注目し始めたのは、やはり大手コンサルティング会社の動きだ。
POC(プルーフ・オブ・コンセプト=概念実証)でRPA導入の効果を図ると、これが明確に表れる。そのためRPAは従来のITシステムに比べて、企業の上層部に受けが良いらしい。2016年の夏ごろから大手コンサル会社の間で、POCのフェーズを経てロボットを導入しましょうというブームが来ているという。
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