昌栄印刷は2017年8月8日、富士ゼロックスの一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」を活用した真贋判定サービスを2018年春に開始すると発表した。紙媒体やプラスチック製のカードにYoctraceを活用することで、真贋判定や認証サービスに利用する。
図1●昌栄印刷が提供するサービス構成図(出所:富士ゼロックス)
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Yoctraceは、偽物を作られやすい工業製品の真贋を、画像認識によって判定できる技術である。スマートフォンのカメラで製品を撮影するだけで真贋の判定ができる。工業製品などの物体表面に現れる固有のパターンを、画像認識によって識別する仕組み。あらかじめ個々の製品をカメラで撮影してデータベースに登録しておくことで、判定時には、登録済みの製品(本物)か未登録の製品(偽物)かが分かる。
昌栄印刷は、Yoctraceを真贋判定や認証サービスに利用する、以下の5つのセキュリティサービスを開始する。
- 仮想通貨や地域通貨に利用する紙媒体、および仮想通貨や地域通貨における非対面での本人確認に関するサービス
- 電子証明書の仕組みを用いて発行する納税証明書や支払い証明書などに関するサービス
- 有価証券や証拠証券などの証券類に関するサービス
- ブランドプロテクション用の媒体に関するサービス
- IDカードシステムにおけるIDの自動認識技術の簡素化、および、既存技術との組み合わせによる高度な偽変造防止に関するサービス
上記の(1)(2)(3)の3つのサービスでは紙媒体にYoctraceを活用、(4)と(5)の2つのサービスでは紙媒体またはプラスチック製のカードにYoctraceを活用する。これにより、真贋判定または認証サービスを実現する。
昌栄印刷はまた、カレンシーポートとともに、ブロックチェーンを使った仮想通貨ビジネスにおいてYoctraceを使った本人確認サービスの実証実験を2017年度中に開始する予定としている。