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不妊治療の治療効果を類似症例で予測する実証研究―三慧会と富士通

2017年9月4日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

医療法人三慧会と富士通は2017年9月4日、不妊治療における効果的な治療を実現する診療支援システムの実証研究を、2017年9月から12月まで実施すると発表した。過去1000人分の患者データから類似の症例を検索し、治療や投薬の効果を予測するのが狙い。

 富士通が開発した、不妊症版類似症例検索システムを活用する。三慧会による不妊治療の現場で得られた約1000人のデータから、治療対象患者と類似する複数の過去患者のデータを抽出し、治療の効果を可視化する。これにより、治療や投薬の効果を予測する。

図1●実証実験では、不妊症版類似症例検索システムの解析結果と治療実績を比較して予測精度を評価する(出所:富士通)図1●実証実験では、不妊症版類似症例検索システムの解析結果と治療実績を比較して予測精度を評価する(出所:富士通)
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 今回の実証実験では、実際に現在の患者に対して治療や投薬の効果を予測する使い方は行わず、検証用データとして、すでに不妊治療の結果が判明している過去患者の診療データを用いる。治療効果の予測と治療実績を比較して、予測がどれだけ合っているか、その精度を調べる。三慧会はこれにより、不妊症の診療支援システムとしての有効性を検証する。

 なお、不妊症版類似症例検索システムは、患者の治療過程の中で得られる診療データから、ホルモン検査値や既往歴などのデータに基づいて、類似する過去患者を検索できる。さらに、それぞれの過去患者に対して実施された治療法と、投与された薬の量ごとに、採卵数や正常受精数、成熟卵数、胚グレード、妊娠率を可視化し、治療対象患者に対する治療効果を予測する。

 今後、三慧会と富士通は、過去患者のデータを活用した不妊症の診断や治療を実現する。不妊症版類似症例検索システムが示す治療効果の予測を実際に活用し、治療法の選択を支援する。これにより、患者あたりの治療回数を減らし、身体的、経済的な負担を軽減する。

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