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パロアルトネットワークス、ファイアウォール機器をクラウド型で提供する「GlobalProtect cloud service」
2017年9月12日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
パロアルトネットワークスは2017年9月12日、遠隔拠点やモバイルユーザーのインターネットアクセスを攻撃から守ることを目的としたクラウドサービス「GlobalProtect cloud service」を発表した。9月末から販売代理店を介して提供する。IaaS型クラウドサービスと次世代ファイアウォール装置をセットで提供する。IaaSにVPN接続することで、ファイアウォールを介してインターネットにアクセスできるようになる。開発会社は、米Palo Alto Networks。
実態は、次世代ファイアウォール装置をセットにしたIaaS型クラウドサービスである。モバイルユーザーや遠隔拠点は、インターネットに直接出ていくのではなく、IaaS上に構築された社内LANに対して、IPsecやSSL-VPNで接続する。こうして、IaaS上にある次世代ファイアウォールのNFV(仮想アプライアンス)を経由してインターネットにアクセスする。
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従来、遠隔拠点やモバイルユーザーからインターネットへのアクセス経路としては、本社のデータセンターを介するやり方か、または直接インターネットに接続するやり方が多かった。ただし、これらには課題があった。本社を経由させると、本社側にリモートアクセスの設備やネットワーク帯域などが必要になる。一方、直接インターネットに接続するのは安全ではない。
そこで、インターネットへの出口となるLANセグメントをIaaSクラウド上に用意し、これを全社員で共有し、外部や拠点からVPN接続して使う、という仕組みを用意した形である。インターネットアクセスのためのLANセグメントとファイアウォールを、本社データセンターの外部に出し、クラウドサービスの形態で利用できるようにしている。
IaaSの基盤としては、ブランド名は非公開だが、市場にあるパブリッククラウドサービスを使っている。こうしたIaaS型パブリッククラウドを直接契約するケースと比べたメリットは、最初からファイアウォール装置の仮想マシンイメージが用意されていることや、導入規模や通信帯域による料金の変動が少ないことなど。
インターネット上でSalesforce.comやDropboxなどのSaaSアプリケーションを使っている場合は、これらSaaS上でやり取りするファイルがマルウェアかどうかをサンドボックスで検査するサービス「Aperture」を利用できる。SaaSが用意しているAPIを介してファイルの情報を収集する仕組み。