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対話型AIシステムを簡単に開発するAIエンジン―アイフォーカス・ネットワーク

2017年9月29日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

人工知能(AI)を活用した情報システムを開発するためのAIエンジンソフトを提供するアイフォーカス・ネットワークは2017年9月29日、都内で説明会を開き、9月に代表取締役社長に就任した早川典之氏が同社の事業について説明した。2018年3月には、開発ツールの機能を高めた新バージョンを提供する予定である。

写真1:アイフォーカス・ネットワーク代表取締役社長の早川典之氏写真1:アイフォーカス・ネットワーク代表取締役社長の早川典之氏
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 アイフォーカス・ネットワークは、チャットボット型の対話型FAQシステムなど、AIを活用した情報システムを簡単に開発するためのAIエンジンソフトを開発している企業である。

 現行版は「Qlofune Version 3.6」(クロフネ)であり、2018年3月には「ENOKI(エノキ)」(Environment of Kindness Idea)の新名称で新バージョンを提供する予定である。

 Qlofuneの最大の特徴は、ルールベース機構や機械学習などAIの機能モジュール群を一通り備えており、導入時にユーザーが必要とするAI機能をExcelファイルで指定するだけでエンジンを導入できる点である。必要なAI機能をWeb APIを介して利用できるJavaアプリケーションを自動的に構成してくれる。

 Qlofuneを使わない一般的なシステム開発においては、ユーザーが必要とするAIの機能に合わせて複数のフレームワーク(ソフトウェア部品)を用意し、これらを組み合わせて利用するアプリケーションを自前で開発することになる。これに対してQlofuneでは、AIの機能を提供するAIエンジン部分を自動で構築できる。

図1:Qlofune Version 3.6の機能の構成(出典:アイフォーカス・ネットワーク)図1:Qlofune Version 3.6の機能の構成(出典:アイフォーカス・ネットワーク)
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対話型AIシステムの機能と事例が豊富

 AI機能としては、対話システム向けの機能を豊富に備える。例えば、入力と応答が1対1の会話エンジン、シナリオに沿って対話を進めるトークスプリプトエンジン、登録した表データを元に対話をして回答に導くオントロジーエンジン、非構造データ(ログや画像など)を知識として扱うエンジン、深層学習を利用した質問応答エンジン、などを利用できる。

 導入実績もFAQ市場が主である。直近の事例の1つは、楽天カードが2017年8月29日に提供を始めたチャットボット型のサポートサービス「楽天カード自動応答チャットサポート」である。クレジットカードの紛失や盗難、利用可能枠などに関する問い合わせ内容を理解し、自動的に返答するシステムである。

 社長の早川氏は、Qlofuneのメリットについて、「AIを活用したアプリケーションを運用する中で得られた知識やログなどがユーザー企業の資産になる」と説明。さらに、運用中にユーザーみずからAIを学習させて成長させることができる点もメリットだとアピールする。

 2018年3月には、Qlofuneの新バージョンとしてENOKIをリリースする予定である。新バージョンでは、主に自動化の機能を強化する。さらに、新たな価格体系として、導入して得られた効果に合わせて一定割合の使用料をもらうビジネスモデルを開始する。また、「5年後に上場を目指す」(早川氏)としている。

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対話型AI / チャットボット / マシンラーニング / アイフォーカス・ネットワーク / 楽天カード

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