野村総合研究所(NRI)は2017年11月13日、電話やインターネットを通じて顧客や社内からの問い合わせに対応する窓口業務を対象とした人工知能(AI)ソフト「TRAINA/トレイナ」を強化し、日本語テキスト解析ソフト「TRUE TELLER(トゥルー・テラー)」を統合したと発表、同日提供を開始した。テキスト解析機能を統合することによって、AIの日本語分析・対話機能を強化した。
野村総合研究所(NRI)の「TRAINA/トレイナ」は、窓口に寄せられた問い合わせに対して、過去の対応履歴などの膨大な知識データベースを参照して、問い合わせをしてきた人のニーズに合った回答を即座に作成するソフトである。窓口担当者を支援できる。窓口担当者を介さずに自動で返信することもできる。
製品提供の背景として同社は、問い合わせの目的を満たす回答を提供するためには、高度な対話能力が求められることを挙げている。「窓口担当者やシステムとのやりとりの文脈から、問い合わせたユーザーが最終的に求めるものを把握し、的確な質問や回答を返すといった機能が求められる」(同社)。
このためには、蓄積した対話記録やFAQ(よくある質問と回答)データなどの大量の日本語テキストをAIを活用して解析し、知識データとして利用する必要がある。こうした理由から、テキスト解析ソフトのTRUE TELLERをTRAINA/トレイナに統合した形である。
TRAINA/トレイナへの統合にともない、既存のTRUE TELLERにもAIを搭載し、機能を拡張した。「機械学習機能」では、従来の教師あり学習に加え、教師なし学習機能も追加した。これにより、利用用途に合わせて、最適な機械学習の手法を選択できるようにした。「対話要約機能」では、窓口担当者が確認・修正した過去の履歴を学習するようにした。これにより、より担当者の要求にあった要約文を生成できるようにした。